おひつじ座
鬼かUFOか
こちらは9月13日週の占いです。9月20日週の占いは諸事情により公開を遅らせていただきます。申し訳ございません。
第二の転換期としての「思秋期」
今週のおひつじ座は、映画『未知との遭遇』でUFOが飛んでくるのを見る人のごとし。あるいは、既知のものが未知のそれに変わっていくような星回り。
思春期には遍歴が必要ですが、今のような高度な産業構造が確立したグローバリズムの時代にはそれがほとんど不可能となりました。その代わり、『未知との遭遇』のように中年に入った40代あたりでUFOを見たりする訳です。
あれは「未知との遭遇」と言いながら、実際にはフライング・ソーサー(空飛ぶ皿、円盤)ということで「既知との遭遇」なんです。思春期のころに、自分の身体性の延長として世界に接触しようとした時に、「いい学校にいくこと」だけが人生ではないと感じつつも、自分に見合う価値観が見つからなくて、ズレが生じてしまう。
その意味で、UFOというのは一種のデジャ・ヴュ(既視感)であって、思春期で意識がズレたときに戻ろうという衝動の現れなのかも知れません。そこで、これまで当たり前に身辺にあった既知のものの中に、未知が帰ってきて、そこに飛び込んで改めて1人きりになったり、生まれ直しをしていくのではないでしょうか。
14日におひつじ座から数えて「かくれんぼ」を意味する9番目のいて座で上弦の月を迎えていく今週のあなたもまた、自分のなかの潜伏していた衝動の容れ物(UFO)を見出していくことができるかも知れません。
神さまの二つの型
日本の神々というのは主に2つの型が結びつくことから成り立っていて、ひとつは人間世界の中心部に鎮座していて、大きな神社のご神木や鎮守の森のように、共同体の価値を守り秩序を維持する働きをしています。
そしてもう 1つの型が、人間世界の外側からやってきては、手垢のついた価値体系に組み込まれていない非人間領域の力を内部に運び込んでくる役目を担っています。
この2つ目の型の神さまは、ひとつ目の型の神さまのようにどこかに常住することがなく、時を定めて出現し、役目を終えると人間世界の外に去って行ったのだと言います。こうした神々はしばしば異形の姿で象られ、「鬼」とも呼ばれてきました。
その意味で、人生の「思秋期」に目撃されていくUFOというのも、現代における鬼であり、来訪神のひとつなのだと言えるかも知れません。
いずれにせよ、今週のおひつじ座も、反道徳とまでは行かずとも、世間の常識や古い価値観の埒外にある存在として振る舞っていくくらいでちょうどいいでしょう。
おひつじ座の今週のキーワード
異質な力に感応していくこと