おひつじ座
天上天下唯我独尊
我をこそ見よ
今週のおひつじ座は、「月を観に誘われ来たり人嫌ふ」(三好潤子)という句のごとし。あるいは、ともすれば静止しがちな自己を騒がそう騒がそうとしていくような星回り。
春を代表する季語が「花」だとすれば、秋は「月」。月は四季それぞれに趣きが異なりますが、湿度が急に下がり、空が清らかに澄む秋には、月はことさら明るく輝くもの。
掲句はそんな見ごろの月を観に誘われてどこかへやって来た「私」を詠んだ句。ところが、月は好きでも人は嫌いだという。確かに作者は好き嫌いの激しい人だったそうですが、この「人嫌い」はあえての振る舞い、つまり演技でしょう。
秋めいて、ますます存在感を増していく月に目線や心を奪われまいと、艶なる自分を見せることによってしか、おのれを保てなかったのかも知れません。
つまり、同じ運命を受け入れるにしても、しーんとした孤独にただ耐えておのれを消していくことよりも、作者は水面を跳ねる魚のごとく、華やかでしかありえない自分を演じ切ってみせることを選んだのです。
10日に自分自身の星座であるおひつじ座で火星が逆行に転じていく今週のあなたもまた、このままではまだ終われないという気持ちを持て余すことなく、いかに未消化な思いを燃焼させていけるかが問われていくでしょう。
自分で自分をさする
子供の頃、お腹が痛くなるとおばあちゃんやお母さんにお腹をさすって治してもらったことはあるでしょうか。別にお父さんや友達でもいいのですが、常識的にはそんなことをしても治らないという場合でも、さすっただけで治してしまうのは子供のおばあちゃんやお母さんが多いのです。
これはどうしてだろうと、個人的にも不思議に思っていたのですが、最近どうもそれは自分より子供に波長を合わせようという気持ちが強いからではないかと考えるようになりました。
今のおひつじ座にとっても、恐らく同じことが言えるでしょう。つまり、なんとなく手が伸びて掴んだり、さすったりしていると、自然と波長が整ってきて想像以上に治癒効果があるのです。
心地よい共鳴を求めて、根気強く自分自身をさすってみてください。そこで生じる自分へのシンパシーは他のなりよりもあなた自身に活気と潤いをもたらしてくれるはず。
今週のキーワード
この世に存在するものは皆ひとりひとりが尊くありがい。もちろん、自分自身もその例外ではない。