おひつじ座
地球人と異星人
無謀、絶望、そして希望
今週のおひつじ座は、「ことごとく未踏なりけり冬の星」(高柳克弘)という句のごとし。あるいは、改めて広い視野から自分の向かっていくべき方向を眺めていくような星回り。
地球上で栄華を極めているはずの人間という存在の、情けないまでの非力さ、ちっぽけさを認識させる一句。
確かに人類はすでに月に到達し、火星への有人飛行も視野に入りつつありますが、逆に言えば視界に映るその他すべての星には一つたりともたどり着いたことはなく、しかも繁栄を手にする代わりに多くの動植物を滅ぼし、環境を破壊してきたために、今や自分たちの存続も危ぶまれるところまで来ています。
しかし、掲句は絶望を詠っているのではなく、むしろ「未踏」の星々を見上げる作中主体の横顔には、どこかスケールの大きな野心と凛とした潔さが感じられ、その向こう側には人類全体のかぎりない可能性さえもが漂っているようです。
今週は、どこかぎりぎりの状況下でのサバイバル体験のような雰囲気が出てきやすくなります。
しかし絶望の割合が大きいときほど、普段なら気付かないようなかすかな希望のありがたみや力強さを改めて実感していくこともできるはずです。
進化を見守ってくれる存在
振り返ってみれば、人類はこれまで幾たびか高度な知性をもった地球外生命へ向けて、メッセージを送ってきました。
恐らくそれは、自分たちが閉じた世界の中で何らかの理由で滅びてしまったという未来のシナリオに備え、人類という種がかつてこの宇宙の片隅に存在していたという記憶をどこかに残しておきたいという本能的な欲求の為ではないでしょうか。
自らが確かに存在したのだということを知ってもらうこと。
その願いが潰えることなく担保され続けるためには、絶対的な外部の存在が必要なのであり、人間というのはどうもそうした自己の外部からのまなざしを想定しているか否かで、まったく在り方が変わってしまうようです。
今週のあなたもまた、ある意味で自分を見守ってくれる存在を必要としていくでしょう。
あるいは、そういうまなざしを想定していく中で、改めて自分がこれから先どこへ向かって進化していこうとしているのか、再確認しようとしているのだとも言えます。
今週のキーワード
ボイジャー探査機のメッセージ