おひつじ座
裏付けと確信
風に敏感になる
今週のおひつじ座は、「秋たつや何におどろく陰陽師」(与謝蕪村)という句のごとし。あるいは、大勢の風向きをさっと掴んでいくような星回り。
「陰陽師」とは、飛鳥時代に設置され明治の始めに廃止された陰陽寮という機関において、天文や占いなどを司っていた役人のこと。そうした立場にある人間が目には見えない何かに驚いているのですから、これはただ秋という季節になったことの実感を詠んでいるのではないでしょう。
風の音で、秋が来たと知る。この日本語の「風」には、風俗や風説、風紋、風評、風靡など非常に多様な意味が含まれていて、掲句においても「陰陽師」は自分の周囲や世の中にただならぬ気配が動いていると感じ、その異変を感得した瞬間を捉えている訳です。
それと同じ意味で、今週のあなたにとってもまた風に敏感になるというというのは、色々な意味で大事なことであるはず。
風の音から、自分を取り巻く周囲の環境や、時代の変化を読み取り、これからの動きを自分自身で占っていくことが、今週のおひつじ座の人たちのテーマなのだと言えるでしょう。
ヒカルの「霊の喪失」体験
『ヒカルの碁』という漫画をご存知でしょうか?
簡単に言えば、平安時代に天皇の囲碁指南役をしていながらも謀略により自死した稀代の碁打ち・藤原佐為の霊が現代を生きるごく普通の少年に憑依したことがきっかけで碁を打ちはじめ、やがて自分の意志でプロの棋士を目指すようになっていくというビルドゥングスロマン。
これは今週のあなたにとって非常に示唆的なストーリーとなっているように思います。
初めこそ憑りついた霊の指示に従いながら半ば嫌々碁を打っていた主人公が、次第にそこに自分のアイデアや閃きを取り入れ始め、ある時不意に霊が消えてしまったことで、その喪失感から碁自体をやめるか悩んだ挙句、改めて自分の意志で碁を打つようになっていく。
主人公の成長の分岐点は、明らかに「霊の喪失」にある訳ですが、これを個人の人生に置き換えるなら、「幸運な偶然や周囲からの導きがなくなったとき、そこで自分に何ができるのか?」という問いかけになるでしょう。
そして今週のあなたもまた、自分の人生と言う盤面に起きている風向きの変化を感じ取り、手持ちの駒をどう動かしていくべきか。できるだけ先の先まで盤面を読んでいくことができるかが問われていくことになりそうです。
今週のキーワード
ターニングポイントの本質を見極める