おひつじ座
生と死の四つ組
水面下での動き
今週のおひつじ座は、土俵上でがっぷりよつに組んだ力士のごとし。
すなわち、誰かとの関わり合いにおいて、見えないところで互いの念がぶつかり合い、そうして高められた力を流していく先を探るような星回り。
この宇宙に「現状維持」など本当は存在しない。静的な調和すらも、実際には動的平衡のもとで成り立っているに過ぎない。
逆に言えば、「現状維持でいこう」という態度表明はすべからく、自分の内部や周囲との動的平衡を破壊していく宣戦布告に他ならない。
このことは、今のあなたならばよく分かるはずです。
まだ人生の変化期や、特別なイベントの最中にいる訳ではないにしても、水面下では葛藤が高まっていたり、今にも決壊寸前のダムのように「その時」が迫っていることを。
今週は、目に見えない力の流れがどこへ向かっていこうとしているのか、心の奥深いところで感じてみてください。
一期一会
以前、死について語り合う座談会に参加したことがあります。そ
れぞれが自分の思う死についての観念や思い入れ、身近なエピソードなどを語っていくのですが、その実そこにいる全員が死とは何かを知りません。まだ、生きているがゆえに。
つまり、死について語ろうとする生者は自分にとって身近だった死、すなわち死者の記憶について語らざるを得ません。
そのために、死について語り合おうとすると、往々にして家族についての話となり、すると座談会は次第に生者の集まりから死者の集まりへと反転していきます。
さらに、今はまだ生きている自分も、やがて生の記憶を抱いて死者となる存在であることを自覚するなら、生きているか死んでいるかということは、存在の記憶が明滅している「現象」に過ぎなくなり、両者の区別もなくなっていくのです。
今週は、あなたにとってかけがえのない他者、今はもう生きていない誰かへの喪失感やかなしみが、「一期一会」への感謝の想いへと変わっていくかも知れません。
今週のキーワード
かけがえのない死者