おひつじ座
ヒア&ゼア
対比を際立たせること
今週のおひつじ座は、「赤富士に露滂沱なる四辺かな」(富安風生)という句のごとし。あるいは、<いまの自分>を取り巻く世界を、広く大きく見ていこうとするような星回り。
「滂沱(ぼうだ)」とは涙などがとめどなく流れるさまのことで、掲句の場合は「露」にそれが使われている。
日の出に照らされた富士山の雄大な景色を前にしているのですが、あたりを見回すときらめくような朝露があたりの草や木の葉にちりばめられていて、その大と小、遠と近、天と地の対比が際立っています。
おひつじ座の守護星である火星に、コミュニケーションの星である水星が慌ただしく近づき、さらに責任と形式の星である土星が真向いに位置していく今週は、伝えたい言葉がくぐもって思いがぐるぐると渦を巻いてしまうようなところがあるかもしれません。
けれど、できあいの言葉で瞬発的に思いを吐き出してしまうより、いったん深呼吸でもして掲句のようにあたりをもう一度見まわしていくことで、あなたの熱情や伝えたいことにもかえってみずみずしさが宿ってくるはず。
机に向かって根を詰めていると、どうしても背中が丸まって息も浅くなりがちですが、今週は要所で背筋を伸ばし、意識をシャンとさせていきたいところです。
雲を取り除く
たとえ外で雨が降っていようが、いまこれを読んでいるのがコンクリートに囲まれたマンションの一室だろうが、できれば今週は早朝に一度は外へ出て30秒でもいいので空を見上げてみることをおすすめします。
というのも、自分の等身大のスケール感では過去は呼び出すことはできても、未来を予測するのには適さないから。
「雲は知っていない、
なぜ、この方向に
このスピードで動いていくのかを
知らない。しかし、空はすべての雲の秩序を把握している。
君達にもそのことがわかるだろう。
地平線の向こう側が見える程の
高みに立った時には。」
(リチャード・バック、『イリュージョン』)
空を見上げながら、ゆったりとした気分で心の中から「雲」を取り除いてみる。すると、雲なんて最初からなかったかのようにどこかへ消えてしまう。
そんなとき、あなたは雲の向こう側に広がる未来をこれまでにない鮮やかさで捉えていくことができるはずです。
今週のキーワード
雲よりこちらと向こう側