おひつじ座
ともに息をひかれて
息が合う」には2種類ある
今週のおひつじ座は、「秋風のふきぬけゆくや人の中」(久保田万太郎)という句のごとし。あるいは、良き人間関係のベースとしての敬意の出どころに焦点を合わせていくような星回り。
最良の友とはどんな相手なのだろうか?
少なくとも、ここではそれは「息の合う」相手である。それも、吐く息の方が合う相手。
生まれてきたその日から、私たちはずっと息をしているし、それはやがて息を引き取るまで続いていく。若い頃は特に「吸う息」の合う相手を求めやすいように思う。
「吸う」とは英語で「inspire」と表し、名詞形にすれば「インスピレーション」となる。つまり、似たバックグラウンドを共有できる相手こそ最良の友と考えやすい。
それが間違いという訳ではないけれど、必ずしも絶対的なものではないということが次第に分かってくる。
なぜなら、人間の生き様というのは、何に影響を受けたかよりも、形成された人格を通して周囲にどんな影響を与えていくか、ということによって大きく左右されていくから。
今週は「この人は何に寄与していこうとしている人なのか」という視点で見ていった時に、どこか通じるものがある人と手を取り合っていくことを意識してみるといいでしょう。
息はどこに向かって引かれてる?
亡くなる時の「息を引き取る」というのは、「元に戻っていく力が働いている」のだと言えます。
つまり、“もと”のなにかに引かれている、あるいは、引っ張っている何かがそこに現れている、ということなのではないかと。
では、この“もと”とは一体なにか?
つまり、息を引かれていくということは宇宙に帰るとか、自然に帰るとか、そういうことなんですね。
そうすると、そこには我々を引き取ってくれている何かがあるということ。つまり、吐く息が合う相手とは、まさに同じところへ帰っていこうとしている相手ということなんです。
あるいは、共に息を安らかに吐くことのできる仲というのは、引き取ってくれている側と引かれているこちら側がスムーズにつながっている、歩調が合っているということの証しなんです。今週は、そうした自分をスムーズに引いてくれる大きな呼吸の中で、息を深く吐けるよう自然と調整していくことがテーマとなっていくでしょう。
今週のキーワード
息を深く吐くことが大切