みずがめ座
必要な空想
円満の秘訣
今週のみずがめ座は、『頬杖の風邪かしら淋しいだけかしら』(池田澄子)という句のごとし。あるいは、特別な相手には特別な時間の使い方をしていこうとするような星回り。
目の前の人が、体を開いて真っすぐにこちらと相対するのでなく、頬杖をついて体をひねり、心なしか顔を曇らせている。それで、ああではないか、こうではないかと気を揉んでいる一句。
もちろん、どうでもいい相手ならここまではしませんから、おのずとこの「頬杖の君」は作者にとってあてどない空想に時間を浪費するに足るような人物だということになります。
しかし、それにしても風邪か、そうでなければ淋しいだけか、というのは想像の仕方としてはいささか極端なように感じます。おそらく、それ以外の現実的な悩みや自覚的な症状であればこちらに寸分たがえず伝えてくれるはずなのに、という2人のあいだで培われた信頼のあつさが暗に示されているのでしょう。
作者はさっさと結論を問いただす代わりに、言葉にされない相手の内実をあれこれ想像することを積極的に楽しんでいるのであり、こういう時間を持てることが長期にわたって円満な関係性を保ってこれた秘訣なのかも知れません。
1月26日にみずがめ座から数えて「パートナーシップ」を意味する7番目のしし座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、効率性や支配欲から大きく外れた関わり方を意識的にはさんでいきたいところです。
真剣な眼差しを宿すとき
例えばここで、河童と真剣に手を取りあう村娘というカップリングをイメージしてみましょう。
娘だって、はじめこそ河童を自らのパートナーとして迎え入れることなんて、想像すらしなかったかも知れません。けれど古今東西見渡してみれば、「異類間婚姻」はそう珍しいものではないのです。娘からしてみれば、共に時間を過ごすうちに不思議と嫌な感じがしなかったり、意外な一致点を見つけたりしていく内に、受け入れる形になったのかも知れません。
とはいえ、相手は河童です。種族の違いという深い断絶が根本のところに横たわっていますから、信頼はすれど相手を自分と同じだと勘違いしてしまえば、どこかで取り返しのつかない誤解が生じてしまう。だから、先のような想像をはさまざるを得ないわけです。
同様に、今週のみずがめ座もまた、既になんとなく手を伸ばしてしまってるものや、密かに愛好してきたものとの結びつきから、誤解や思い込みの要素を減らしていくべく、これと決めた相手とのカップリングを「異類間婚姻」に置き換えてみるといいでしょう。
みずがめ座の今週のキーワード
ひょっとしたら河童かもしれない