みずがめ座
ナルシシズムだっていいじゃない
こちらは9月27日週の占いです。10月4日週の占いは諸事情により公開を遅らせていただきます。申し訳ございません。
「あたしのこと愛してる?」
今週のみずがめ座は、中村うさぎの『愛という病』の一節のごとし。あるいは、関係性の中の自己確認を健全なレベルにみずから調整していこうとするような星回り。
かつて上野千鶴子が「恋愛病は個人になった近代人の宿痾のようなもの」と硬派に分析して見せた一方、中村うさぎは「女の病とは、畢竟、ナルシシズムの病なの」と書きました。
中村は「多くの女は、欠落した自己に飢えた」モンスターであり、彼女たちにとって「オトコなんて自己の投影物に過ぎ」ず、だから女は「オトコの個人性ではなく、オトコの属性」に固執するのであり、それは「彼女たちが自分自身に欲しがっている属性なのね」とみずからを斬ってみせたのです。
中村はそうしてどこまでもきつく絡まった自身の苦しみをほどくようにして文章を紡ぎ、どうしたら「愛し愛される事への執着」を解除できるかを問うなかで、女たちが「あたしのこと愛してる?」と確認したがるのは、べつに男から捨てられることを心配しているからではなく、そうしないとオキシトシンの分泌が止まって、それ以上男を愛せなくなるからだという、至極まっとうな答えへとたどり着いていく。
9月29日にみずがめ座から数えて「心身の調整」を意味する6番目のかに座で下弦の月を迎えていく今週のあなたもまた、まずはナルシシズムだっていいじゃないと開きなおってみることから始めてみるといいでしょう。
わが身のデッドスペースを知る
愛してくれとまでは言わずとも、誰かにそばにいて欲しい、支えてほしい、活力を注いでほしいと願うのは、人間にとってごく当たり前の要求であり、できればこの世の果てまでそうして欲しいとつい思ってしまうのが、人の業というものです。
けれど、もしかしたらあなたの心や体には、さながら心の押入れのように、いまだ吐き出しきれていない願いや思いを押し込めて見えないようにしている、自分でも忘れてしまったか思い出せなくなっているデッドスペースがあるのかも知れません。
そして、その戸を一度開けてしまえば、雪崩のように積年の思いや今まで隠れていた感情が止めどなく湧いてきては、それを吐き出さずにはいられなくなるような。
今週のみずがめ座はいわば、それくらいのわだかまりを思いがけず放出していくようなタイミングとなっていくことも十分にあり得るはず。思わず身をよじるような痴態を自分に許してあげるだけの余裕をもっていきたいところです。
今週のキーワード
身もだえの底にあるもの