みずがめ座
自分に寄り添う
一茶の転機
今週のみずがめ座は、「足元へいつ来りしよ蝸牛(かたつむり)」(小林一茶)という句のごとし。あるいは、切なさと愛しさと心強さと。
作者が四十歳に入る年の4月の作。この頃、久しぶりに故郷の北信濃に帰ったのですが、その帰郷中に父の死に直面するのです。
熱病にかかって一カ月足らずで父は亡くなり、一茶には故郷に頼るべき人がいなくなります。それはつまり、継母と異母弟にあたるその子を相手とする遺産相続問題へついに取り組んでいかなければならないことを意味していました。
掲句は、いったん倒れた父が小康状態を得たときのもので、気持ちが父のことや将来への不安に囚われていたことを、小さな蝸牛に教えられたことで、ホッと一息をいれられた解放感と安堵感とが見事に表現されています。
一茶は有名な「やせ蛙負けるな一茶これにあり」という句など、小さき者たちに同じ目線で語り掛けるような句を多く残していますが、掲句はそうした個性的な作風の出発点だったのかも知れません。
4日夜にみずがめ座から数えて「身体性」を意味する6番目のかに座で下弦の月を迎えていく今週のあなたもまた、自分が身をもって感じている不安や心許なさにそっと気付いて寄り添っていくだけの余裕を持ちたいところです。
手かざしの治癒効果
子供の頃、お腹が痛くなるとおばあちゃんやお母さんが手をかざし、あるいはお腹をさすって治してもらった経験のある人は少なくないはずです。
別にお父さんや友達でもいいのですが、実際、常識的にはそんなことをしても治らないという場合でも、さすっただけで治してしまうのは子供のおばあちゃんやお母さんが多いんです。
これはどうしてだろうと、個人的にも不思議に思っていたのですが、最近どうもそれは自分より子供に波長を合わせようという気持ちが強いからではないかと考えるようになりました。そしてこれは、今週のみずがめ座にとっても恐らく同じことが言えるでしょう。
つまり、自分と気の合う相手や、なんとなく出している波長が似ている相手と接触をはかっていくことには、考えている以上に治癒効果があるのです。
心地よい共鳴を求めて、根気強く手をのばし、自分自身をさすってみてください。そこで生じるシンパシーこそが元気の源となっていくはずです。
今週のキーワード
シンパティック・マジック