みずがめ座
楽園を作るために
薄明の窓辺に置かれた言葉
今週のみずがめ座は、エミリー・ディキンスンの「可能性の家」のごとし。あるいは、周囲や社会の期待に応えるためにする演技よりも、自分の本当の気持ちに正直でいることを優先していくような星回り。
14日(土)にみずがめ座から数えて「等身大の自分」を意味する2番目のうお座で満月を迎えていく今週は、この世界を自分の手でどれだけ居心地のいい場所にしていけるかが問われていくでしょう。
その際、それと同じことを自分の部屋を持ち、そこで詩を作ることで実現したエミリー・ディキンスンのような人は、今週のみずがめ座にとってよき指針となっていくはず。彼女の生涯の内でも最も多作の歳に書かれた詩を、1つ引用してみましょう。
「可能性の家に暮らしています
散文よりも、すてきな家です
窓が多く
入口も魅力よ各部屋は 杉の木立
人目は避けられるし
朽ちない天井は
天空の丸屋根訪れるのは このうえなく美しきものたち
そして 仕事は――小さい腕を
精いっぱい伸ばして
摘み集めていくの 楽園を」
(内藤里永子訳)
詩は、彼女にとって「散文よりもすてきな家」であり、大きな可能性を秘めたものである一方で、新しい可能性への挑戦の場でもありました。
今週のあなたもまた、人目につかないところで、ささやかでありつつも偉大な挑戦を試みていきたいところです。
希望と絶望を分けるもの
いつだか「希望は美しい、絶望も美しい。だが、両者をわけるものは、もっと美しい」という一文を読んでから、「希望と絶望をわけるもの」とは一体何だろうかと密かに疑問に思い続けてきました。
いまだそれに対する明確な答えには至っていませんが、最近それは「光明」ではないかと考えるようになってきました。
「光明」というのは、天を覆う雲間から射し込んでくる一条の光であり、そこには身体を震えさせる歓喜や感動があります。
かつてのディキンスンもそうであったように、影の世界にいるからこそ光明は感じることが出来るし、何かを失って初めて永遠ということが分かることもある。
今週あなたは、世界のどこかに差し込んでいる光明に出会うことができるでしょうか。
今週のキーワード
『わたしは名前がない。あなたはだれ?エミリー・ディキンスン詩集』