みずがめ座
渾身の旗振り通信
京極杞陽の場合
今週のみずがめ座は、「電線のからみし足や震災忌」(京極杞陽)という句のごとし。あるいは、誠の思いをしかと刻んで、後世まで残していこうとするような星回り。
9月1日は1923年(大正12年)に関東大震災が起きた日。
15歳のときに被災し、姉を除いた父母、祖母、弟、妹などの家族のほとんど喪った作者は、じつに震災から35年の月日を経てようやくこの句を詠むことが出来たのだという。
切れて落ちてきた電線に、足がからまるという現実的かつ生々しい恐怖の背後に、作者がどれだけの悲しみや諦めを心に抱いてきたのかは想像さえできない。
時間が経つにつれて色褪せてゆく忌日もあるし、それでいいという場合もあるかもしれない。しかし、作者は自身の体験した震災の忌日に関してはそれをよしとしなかった。
溢れ出るさまざまな感情を脇にどけてでも、伝えるべきものがそこにはあるのだとようやく確信できたのかもしれない。
忌日の句は、作者にとってその出来事に紐づく人々への誠の思いが始まりであり終わり。
6日(金)にみずがめ座から数えて「自分がどれだけ愛される存在であるのかということの確認」を表す11番目のいて座で上弦の月を迎えていく今週は、あなたにとってもそんな「誠の思い」を、この世に刻んでいけるかが問われていくことになりそうです。
旗をあげるということ
別の言い方をすれば、あなたは今、自身の立場や態度を明確に表していくことが求められている。
それは外的な圧力によってというより、内的な必要に駆られてというニュアンスが強いでしょう。
例えばどんな船でも永遠に海の上を航行することはできませんが、どこかに寄港する際、どんな旗を掲げるかで自分がどんな立場に帰属するのかを港側に伝えていきます。
同じ意味で、今のあなたもまた何らかの旗を掲げていかなければならないという訳です。ここで「旗をあげる(Show the Flag)」という言葉を辞書で引いておくと、以下のような意味が出てきます。
1.(パーティーなどに)顔を出す
2.(外国の港などを)訪問する
3.(白旗など自分の意思を)鮮明にする
4.(自分の要求を)つきつける
いずれの旗を掲げていくのか、今週はしっかりと決断していきたいところです。
今週のキーワード
誠の思いを伝えていく