みずがめ座
まさかを見つめる
不確かな存在であること
今週のみずがめ座は、「人殺ろす我かも知らず飛ぶ蛍」(前田普羅)という句のごとし。あるいは、人間という存在の不確かさを身をもって感じていくような星回り。
ふと飛んでいる蛍を見かけて、思わず「人を殺してしまう自分自身の魂かも知れない」と言うのだから、これは尋常の感覚ではない。
『源氏物語』の六条御息所か、『オレステイア』のクリュタイムネーストラーか、はたまた『リング』の貞子か。
もちろんそうした登場人物たちに仮託された激情や執着心というものに、みずがめ座の人たちはあまり囚われないというのが占星術の一般的な定義なのですが、そうして案外自分には縁がないと思って油断しているものにこそ足元をすくわれやすいものであり、理知的で頭が良いみずがめ座だからこそ、そうしたもうひとりの「我」が一度とりつけばなかなか離れてくれないはずだ。
まさかと思っているのなら、ここで一度胸に手を当てるか、歴史を紐解いてみてほしい。人間とは、誰もが何かの拍子に何をしでかすか分からない存在なのであり、5月5日に天王星がおうし座に入って最初のおうし座新月が形成されていく今週は、それくらいの冷徹さで自分を突き放し、俯瞰していくくらいでちょうどいいでしょう。
つらい時ほど肛門をしめる
インドのカリアッパ師のもとでヨーガの修行を重ね、心身統一法を広めた思想家の中村天風さんによれば、怒りのあまり殺意が湧きそうになったらキュッ!悲しくてどうしようもなくなったらキュッ! もうこれだけで心のゆるぎなさが全然違ってくるのだそうです。
ちなみにもし仮に肛門ほどの大きさのブラックホールができた場合、その質量は地球とほぼ同じくらいとなり、完全に蒸発するまで1万年弱かかり、その間に肛門の両極方向にX線やガンマ線を発生させながらジェット噴射をし続けることになり、地球をドロドロに溶かしながら飲み込んでいくそうです。しかも地球を飲み込む間、放射線の影響で肛門は光り輝いているのだとか。
やはり今週は肛門はしっかりとしめつつ、自分のなかのもう一人の自分を見つめていきましょう。
今週のキーワード
クンバハカ