みずがめ座
無意味な複雑さを切り捨てよ
まなざしの応酬
今週のみずがめ座は、「蝶われをばけものとみて過ぎゆけり」(宗田安正)という句のごとし。あるいは、自分を、この世界を、複眼的に見つめていこうとするような星回り。
俳句の世界では、蝶は春の訪れを知らせてくれる可愛らしい小さな生き物として古くから愛されています。しかしここでは、蝶は一風変わった詠まれ方をしていて、なんと蝶から見た「われ」に対する率直なイメージが記録されており、しかも「ばけもの」だと言うのです。
確かに私たち人間は、小動物である蝶からすれば不自然に大きな化け物のような存在に映るのもうなづけます。
ですが普段、一方的にまなざしているだけの蝶とのあいだに、まさかインタラクティブなまなざしの応酬があり得るものと想像すらしたことがなかったので、余計に不思議な印象を抱いたのかもしれません。
しかし、こうした普通ならそこにインタラクティブなつながりを見出さないところから、この世界を見ていこうとする特質こそ、まさにみずがめ座の真骨頂であり、今のあなたに必要な原点回帰なのだと言えるでしょう。
その意味で今週は、あなたがあなたらしくなっていくためのステップをさらに踏んでいきたいところ。
「進化」などやめてしまおう
ダーウィンの進化論によれば、われわれは単純なものから、だんだん複雑で多様な生命が現れてきたことになっています。
そして、ともすれば私たちもレゴで遊ぶ時、まず単純な部品をいくつか作って、それらを組み合わせて順次複雑で大きな造形物を設計していくように、進化といえば、つい複雑化の方向性で考えてしまうことに慣れています。
しかし、果たして進化というのは本当にそうした方向性にのみ起こるものなのか? それは複雑で高度というより、たんにグロテスクで奇妙な事態とも考えらえるのではないか? ということが今週の焦点となってくるはず。
より素朴に、自然なものへ簡素化していくような方向での進化もあるのではないか。あるいは、もはや進化などやめてしまうような原点回帰が、結果的に自分たちが心から必要としているそのものだった、ということもあるのではないでしょうか。
仕事の姿勢においても、異性との関わりにおいても、「蝶」が思わず感心するような、しかし決して不自然ではない生き方にたどり着いていく。そうした可能性を、今週はぜひとも模索していきましょう。
今週のキーワード
「他の生物に感心してもらうには?」といった視点