みずがめ座
点と線と繋がりと
ネットワークの中で生きていく
今週のみずがめ座は、「柳散る銀座に行けば逢へる顔」(五所平之助)という句のごとし。あるいは、誰か何かとの繋がりの中で、自分の価値を再確認していくような星回り。
秋風が吹くようになると、突発的に人恋しくなる時がある。これはもう仕方のないことで、自分の心が弱いからとか、余計な理由をつけること自体がもう虚しいだけ。
誰かと話したい、できればちょっとした話をしつつ、失われた温度を分け与えてほしいと。そんな心持ちで掲句のように酒場に行ったりする。
それは何ら恥ずかしいことなんかではなくて、むしろそういう場を持っている限り、この切なさを乗り越えて自分はどこまでも生きていけるのだということに誇りを持てばいい。
いろんなところに迷惑をかけながら、少しずつそうして自分を生かしてくれているところへ恩返ししていく。そういう人間の方が、まわりまわって社会のためになっているんじゃないかと思うんです。
今週のあなたもまた、一点突破の生き方よりも、点と点とを線で結んで、そのネットワークの中で生きていくことの実感をこそ深めていくことができるはず。
リズムと繋がり
文豪ディケンズは、日々の日課として、また創作のヒントを得るため、あてどない散歩にいそしんだと言われています。
散歩やぶらつきというと、意味のある持続の破綻をもたらす行為や、仕事の生産性に直接関係しない無為な時間と思われるかもしれませんが、日常から一歩離れて生の全体を見渡すためには、欠かせない必要条件と言えるのではないでしょうか。
例えば、俳句の5・7・5というリズムも、古代の舞踏のリズムや、海洋民がオールを漕いでいたときのリズムにその起源があるとも言われていますが、いずれにせよ座ったままの状況からはリズムは生まれてこないのです。
ただじっとしていると、どうしても言葉が煮詰まってきて、スムーズに流れなくなる。
その意味で今週は、歩いたり踊ったり、自分に合ったリズムを身体に刻んでいくことで、自分なりの繋がり方を整えていくといいかもしれません。
今週のキーワード
文体練習