みずがめ座
ハロー・バイバイ
死者にさよなら
今週のみずがめ座は、「流燈を流す父の名乾かぬに」(三好潤子)という句のごとし。あるいは、惜しみつつも、静かに変転を受け入れていくような星回り。
「流燈」とはお盆の風習で、舟形にした板の上に灯籠とうろうをのせ、火をともして川や海に流すことを言い、「灯籠流し」としても知られています。
作者にとって、父親は「この世で一番大事なひと」だったそうです。そして掲句は、父の死から長い年月を経てから詠まれたものですが、だからこそ切っても切れない縁や汲み尽くせない思いを感じているのでしょう。
今週あなたの心に浮上してくるテーマも、ある種の「絆」のようなものと言えるかもしれません。もともと離れないよう繋ぎとめる綱のことを意味した絆ですが、それは時に人のこころを縛る因縁の鎖にもなりえます。
自分が何によって縛られているのか、そして縛られていてなお、その相手のことを大切に思うことができるか。
いずれにせよ、現実ではすでに喪われたものの中に、そうした見えない絆を実感していくことになるはずです。
生者にはこんにちは
たとえ取り組む仕事や、関わる世界や人間、あるいは記憶そのものが変わってしまったとしても、あなたが生きて前を向いて歩んでいる限り、その歩みの中に交わった人たちとの記憶やその痕跡は残り続けるでしょう。
神林長平のSF小説『アンブロークン 戦闘妖精・雪風』の冒頭に、
「すべては変わりゆく/だが恐れるな、友よ/何も失われていない」
という言葉が掲げられていますが、これは今のあなたにおあつらえ向きのメッセージとなるかもしれません。
今週のキーワード
儀式をすませる