しし座
人生に神聖さを取り戻していく
未来の中心地を育む
しし座から数えて「世界の果て」を意味する9番目のおひつじ座に「文化的種子」の木星がめぐってきた2022年下半期は、しし座にとって「辺境に留まっていく」時期なのだと言えます。
一般的に、文化というものは大都市圏など、権威の中心に集中するものと考えがちですが、実は歴史を振り返ってみると、キリスト教が古代ローマから見て辺境の地であるパレスチナで生じたり、カントがケーニヒスベルクというドイツの端っこで当時最先端の哲学を構築したように、本質的に新しい観点を含んだ文化潮流というのはむしろ辺境から現れてくることの方が多いのです。
それはおそらく、辺境というのがさまざまな文化が伝播するギリギリの末端であると同時に、別の文化圏からの伝播の終着点でもあり、複数の文化が合流し混淆していきやすいがために、既存の文化伝統に対する決定的な<転回>が生まれていくからでしょう。
そう考えれば、明治維新が外国勢力と直接やりあったことのある薩摩や長州から始まったのも決して偶然ではなかったはず。つまり、辺境とは一つの層から成り立つものではなく、いくつもの越境や、外部と内部の交流が積み重なっていくことで出来上がる「臨界領域」なのだと言えます。
その意味で、2022年下半期のしし座は、みずからと関わりのある事業や作品、居場所などの未来を中長期的に確保するべく、できるだけその最高の可能性を揺籃していくのに適切な環境=「臨界領域」に身を置いて、そこで新たな文化の種子が芽吹き、花を咲かせ、豊かに実っていく過程をじっくりと見届けていくべし。
2022年下半期:しし座の各月の運勢
7月「安定的な“魔法のじゅうたん”」
7月10日に前後して、しし座の守護星で「理想追求」の太陽が、「脱線と独立」の天王星と小気味よく感応し合っていきます(60度)。
天王星の働きというのは、よく身近な関わりには閉鎖的になる代わりに、遠くの関わりには開放的になっていくという形で現われ、結果的に「周囲から浮きまくった人間」が出来上がるのですが、この時期はそれが加速化し、“魔法のじゅうたん”に乗って飛んでいくような感覚を覚えるかも知れません。すなわち、自分が消耗するような人間関係や、無駄な労働からはキッパリと距離を置き、社会全体や時代の先を見据えて自分なりの理想像を描き直していくことで、改めて創造性が引き出されていくのです。今はそういう動きをサクサク実行していくことを楽しむべし。
8月「きちんと世に送り出す」
8月14日を前後して、しし座の守護星で「前進する力」を司る太陽が、「責任感」の土星と今度は真正面から向かい合っていきます。
この組み合わせはさながらレールの上を全速力で進んでいく列車のようなもので、これは忠実にダイヤを守るための決死の努力でもある訳です。みずがめ座の土星が表すのは、社会やシステムの網の目からこぼれ落ち、不当な扱いを受けている人たちを見出して、彼らにこそ快適さと保護を提供していかなければならないという応答的な責任感であり、この時期はそうした意識が強烈に働くために、取り組んだ仕事をしっかりと世に送り出すだけの完遂力を発揮していくことができるはず。
もしアイデアは練ったけれどプロジェクトとしては稼働させていなかった休眠案があるなら、この時期に改めて動かしてみるのもいいかも知れません。
9月「破壊と創造の衝動」
9月11日に前後して、しし座の守護星で「遊び」の太陽が、今度は「リスクテイク」の天王星と鋭くぶつかり合っていきます(90度)。
天王星というのはリスクを取って何らかの行動を起こしていくことを私たちに求めますが、この配置ではそれが最も強烈に作用します。そのため、この時期は自分にとって創造的で、楽しい遊びとは何かということを突きつめて考え、行動していくことが求められるでしょう。
その際、常識や慣習などには反旗を翻し、是が非でも覆していこうとしますが、もしその強烈なエネルギーの作用を無視したり、無理に抑えつけたりしてしまうと、自分自身を攻撃して、神経衰弱やノイローゼ、神経症になってしまうこともあり得るのでその点には重々注意すべし。
10月「向かうべき理想郷を思い描く」
10月16日に前後して、しし座の守護星で「前のめり」な太陽が、「夢見ること」の海王星へと努力して結びついていこうとする配置を取ります(150度)。
これは真の酔っぱらいになるべく真剣に取り組んでいかんとする、大変難しい取り組みを示しており、そのためには安易な代物は打ち捨てねばなりません。それらは所詮、不自然で無理な夢見に過ぎないからです。
代わりに、亀がゆっくり成長するように、少しずつ確実に、「いまここ」と過去や未来のありうべき理想郷とのあいだの厚い壁を掘り崩し、境界線を薄くしていくのです。逆に言えば、それだけの到達する価値のある理想のビジョンを思い描いていくことこそが、この時期のテーマになっていくのだと言えます。
11月「愚者になりきる」
10月28日にいったん木星はうお座に戻り、今月から12月20日に再びおひつじ座に戻るまでのあいだ、改めて2022年下半期の全体運で述べた「辺境に留まる」というテーマをまっとうするべく、自分が生きているということを改めて実感させてくれるものとは何なのか、改めて問うていくことが必要になっていくでしょう。
そして、そこで鍵となってくるのがタロットでいう「愚者」のカード。すなわち、未知の世界に飛び込もうとする衝動、ないし人生の新たな章への後押しです。
特に2022年の上半期に自分を目覚めさせてくれた出来事はなかったか、また、最近ふと心に浮かんだ謎がありはしなかったか、一足早く今年を振り返ってみるべし。
12月「命運をともにするということ」
12月8日に前後して、しし座の守護星で「自尊心」の太陽が、「飛び込み」の火星と真っ向から向かい合っていきます(180度)。
この時期は、望みとは異なる「祈り」をどこまで行為に移せるかが問われていくでしょう。すなわち、「こうであったらいいのになあ」と単に思い浮かべるだけでなく、そうした事態に自分も加わり、責任の一端を引き受けたいという意志を、具体的に示していくのです。
責任の一端を引き受けるということは、当然ながらその当の対象が失われたり、破滅した際には、自身もまた命運を共にするということ。したがって、後から「そんなつもりじゃなかった」と思うのなら、初めから祈るべきではありません。祈りを生活に溶け込ませるべく、自分にとって何が大切なのかを明確にしていくといいでしょう。
2022年下半期:しし座の「お守りにしたい言葉」
私が生れたよりももつと遠いところへ。そこではまだ可能が可能なままであつたところへ。今日ではすべてが過去に沈んでしまつた。そして私は秋になつてしめやかな日に庭の木犀の匂を書斎の窓に嗅ぐのを好むようになつた。私はただひとりでしみじみと嗅ぐ。そうすると私は遠い遠いところへ運ばれてしまう。(『九鬼周造随筆集』岩波文庫)
これは哲学者の九鬼周造が、別の自分でもありえたのかもしれないという人生の根底でうごめく感情について表したもの。それは幾つになっても、いや年齢を重ねれば重ねるほど、不意に頭をもたげてくるものなのではないでしょうか。
<わたし>を襲った偶然への問い。それは答えようのない問いではありますが、それを問うことで、人は偶然の折り重なりとしての<わたし>という感覚を深め、それが別の偶然へと思いを馳せる原動力ともなっていくはず。
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