ふたご座
冗談はよし子さん
世界は廻る
ふたご座から数えて「解放区」を意味する11番目にあたるおひつじ座に「勢いと拡張」の木星がめぐってきた2022年下半期は、ふたご座にとって「市に立っていく」時期なのだと言えます。
古来より、虹が立てばそこに市場が開かれてきましたが、そこは人間社会と手つかずの自然との“境い目”の領域であり、そこに入ったモノもまた俗界との縁が切れて、神さまのモノとなるとされてきました。だからこそ、市場では後腐れなくモノをモノとして交換していくことができたわけです。
その意味で、2022年下半期のふたご座もまた、個人的な友人関係や知り合い同士の枠をこえた、より広い範囲での関わりに開かれていくはず。もちろんそこでは、身近な環境では決してお目にかかれないようなモノを受けとっていくばかりでなく、思いがけない形でこれまで溜め込んできたモノを手放し、くたびれた縁を切っていく必要に迫られていくことでしょう。
いずれにせよ、物であれ人であれ、狭く小さくまとまって緊密な結びつきの中で閉鎖系をつくりだしてしまうのではなく、新たな航路を開拓して明との交易をはじめた平清盛のごとく、積極的に「断絶」を越え、世界を拡げるべく漕ぎ出していくことがテーマとなっていくのです。
Perfumeの『ポリリズム』の歌詞に、「とても大事な/キミの想いは/無駄にならない/世界は廻る/ほんの少しの/僕の気持ちも/巡り巡るよ」という一節がありますが、今期のふたご座もそうした「循環」を実現するべく、あちらとこちらを行き来していくべし。
2022年下半期:ふたご座の各月の運勢
7月「私の複数性を生きる」
7月3日にふたご座の守護星で「言葉」を司る水星が、「言葉にできないもの」を司る海王星と鋭くぶつかり合っていきます(90度)。
この時期は、さながら漫才の最中にボケとツッコミが入れ替わってしまうくらいのことが、ひとりの人間の中で起きていきやすいでしょう。つまり、傍から見て、人格がまったく変わってしまったかのようになる訳です。
しかし、こういうことはそれほど珍しい訳ではなく、例えば複数の言語のあいだを往来して生きなければならない移民にとってはそれが日常ですし、自身の異名を本名とは別に使い分けている作家や俳優なども同じことが言えます。それは同時に現実と虚構という2つの世界で私の複数性を生きることであり、その中で、ほんの少しこれまで繋がっていなかった世界同士が繋がっていくことになるはず。
8月「宇宙人との会話」
8月2日に前後してふたご座の守護星である「言語化」の水星が、「イマジネーション」の海王星と「人外魔境」の冥王星と同時に努力して結びついていこうとする配置を取ります(150度)。
この配置は、どこか苦労しながら太陽系の外部から現われた宇宙人とコミュニケーションを取ろうとしている状況に似ています。当然、共有できる音や意味を探るところから始めなければなりませんし、そのなかで、こちらの価値観を大きく揺さぶるようなやり取りも生まれてくるはず。
現実的には、神社にお参りしたときにいつもと違う体感があったり、妙な夢を立て続けに見たりといった形で現われてくるかも知れませんが、それにどこまで意識的な努力を持ち込んでいけるかが問われていくでしょう。
9月「選挙期間の議員のごとく」
9月2日に前後してふたご座の守護星である「情報活動」の水星が、「チャレンジ」の火星と同調して盛り上がりつつ(120度)、「信念」の木星と向かい合っていきます(180度)。
その場の空気を読みながらぽつりぽつりと意見を口にし始めた人が、次第に自分の話にヒートアップして今まで話題にあげるのを避けてきたことにも言及していき、ついには今現在の自分の思想信条を語り、それを公式見解としてブログや動画に載せて世間に公開してしまう。仮にそんなことがあったとしても、この時期は何の不思議もないでしょう。いつも以上についつい話し過ぎたり、自分の話を遠くに届けようとしているのです。さながら、国会や市議会の議員が選挙期間に入ったようなものと考えると、ちょうどいいかも知れません。
10月「自分プロなので」
9月末から10月頭にかけてふたご座にある「行動力」の火星が、「制御力」の土星と同調して結びついていきます(120度)。
車の運転で言えば、火星はアクセルで土星はブレーキですから、同時に踏み込めばエンストを起こして車は立往生してしまいます。しかし、この時期は、完全に1人で好き勝手にドライブするのではなく、助手席や後部座席に自分の先生や上司などを座らせて、すなわち特定の目的やルールに沿ったり、それなりの行動上の制限のもとで車を走らせる運転手のような状態に近いでしょう。
つまり、あえて自分を繰り返し型にハメていくような動きをしていく訳ですが、それはプロフェッショナルな仕事の仕方を覚えていくということでもありますから、この時期は何か集中的に仕事や訓練にあたってみるといいでしょう。
11月「同じアホなら踊らにゃ損損♪」
11月9日前後にはふたご座の守護星で「言動」を司る水星が、「逸脱」の天王星と真正面から向かい合っていきます(180度)。
この配置は10月に書いた内容と真逆の流れを暗示していて、「型破り」な言動が止まらなくなっていくでしょう。場合によっては、暴言や暴走とも思われる言動を取って、波紋を起こしたり、批判を浴びたりすることもあるかも知れません。
しかしたとえそうであったとしても、ただならぬ緊張感をもって異議申し立てを周囲の環境に差し出していかずにはいられなくなってしまうのがこの時期の星回りの特徴なのだと言えます。だとすれば、同じアホなら踊らにゃ損損♪下手に忖度するくらいなら、思う存分踊り狂うべし。
12月「運気のギアチェンジを」
10月28日にいったん木星はうお座に戻り、12月20日に再びおひつじ座に戻るまでのあいだ、改めて2022年下半期の全体運で述べた「市に立っていく」ための準備や再調整に取り組んでいくことがテーマとなっていく訳ですが、その上で鍵になってくるのがこれまでの自分や付き合い、慣習と決別していくだけの「潔さ」をもつこと。
ぬるま湯のような状況から抜け出し、自分の真価を発揮していくためには、今後の目標として掲げるロールモデルを意識するだけでなく、付き合う相手やライフスタイルそのものを変えていくことも時に不可欠。それで結果的に孤立してしまったように感じたとしても、それは決して譲れないものとそうでないものを整理整頓していく上で欠かせない手続きであり、「運気のギアチェンジ」を果たしていく大きなきっかけとなるはず。
12月はいわばその最後の追い込み期間であり、仕上げに取り組んでいくことがテーマとなっていくでしょう。
2022年下半期:ふたご座の「お守りにしたい言葉」
私はそのころ太陽というものに生命を感じていた。私はふりそそぐ陽射しの中に無数の光りかがやく泡、エーテルの波を見ることができたものだ。私は青空と光を眺めるだけで、もう幸福であった。麦畑を渡る風と光の香気の中で、私は至高の歓喜を感じていた。(坂口安吾『風と光と二十の私と』講談社文芸文庫)
昭和の無頼派作家・坂口安吾が、若い頃の短い教員時代を振り返った自伝的作品であるこの小説には、太宰や芥川など何人もの文学者の自殺に直接的間接的に関りつつも、それに流されずに生にしがみついていった坂口の裏腹な強靭さの秘訣が示されており、先の一節はまさにその一端であったように思います。
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