おひつじ座
陸に上がった人魚として
最初の選択肢を
自分自身の星座であるおひつじ座に「発展と飛躍」の木星がめぐってくる2022年下半期は、おひつじ座にとってさながら待ちに待った舞台本番を迎えた役者のように、「大胆な表明を迫られる」時期と言えます。
うまくいけば、ここ数年かけて努力したり、蓄えてきた「個」としての実力がやっと十分に満ちてきて、思いがけない引き立てを受けたり、これまで以上にあなたの一挙手一投足に注目が集まっていくでしょう。
しかしそれは裏を返せば、自己完結的な振る舞いや衝動任せの行動が許されなくなって、世間や他者からのツッコミを甘んじて受けていかなければならないことをも意味するため、総じて自分に対する周囲の風当たりも強く感じやすい傾向にあります。
かつて哲学者のニーチェはある断章のなかで「自分の不名誉になるような考えを最初に大胆に表明することは、自立への第一歩になる」と述べていましたが、それはまさにこの時期のおひつじ座にとって大切な助言となるはずです。
すなわち、周囲からの風当りや、その流れや雰囲気に呑まれて、自分を小さくまとめたり、そこそこの成果をあげて落ち着こうとするのではなく、大多数の人には受け入れてもらえないかも知れない胸に秘めてきたアイデアや前代未聞のプランをこそ選んで、表明していこうということ。特に迷ったときほど“次善の策”ではなく、最初の選択肢を採用するべし。
2022年下半期:おひつじ座の各月の運勢
7月「塔の外に出ていくラプンツェル」
7月1日におひつじ座の守護星で「挑戦意欲」を司る火星が、「死と再生」の冥王星と鋭くぶつかり合っていきます(90度)。
この配置では、自分にかけられた期待や要求、周囲との比較などに気を取られ散漫になっていた意識が、ヘラヘラと愛想をふりまいたり適当に調子をあわせることをやめ、何らかの形で「もはやこれしかない」という一点に集中していくことになるでしょう。突然強引になったり、有無を言わせぬような憑依状態に入っていくことも多く、その過程でこれまで親しんできた幻想が破れたり、暴かれたりといったことも起きていきやすいのですが、いずれにせよ、あなたはここで自分自身の在り方を一つ上の次元に引き上げようとしているのだと言えます。
8月「そしてコロンブスになる」
8月2日にはおひつじ座の守護星で「行動力」を司る火星が、おうし座で「逸脱と解放」の天王星と重なっていきます。
天王星の影響が強烈に働くと、近くの関係性や特定の慣習から個人を切り離して、遠くの関係性に繋がりをもたらしたり、足が向かう先を固定させず、できるだけ散らしていこうとするので、「そうだ京都、行こう」的なノリで、気が付いたら急にいつもの行動範囲から外れた行動を取っていた、なんてことも大いにありえるでしょう。
いっそ、四方を海で囲まれ続ける苦しい航海の果てにやっと新大陸を発見したコロンブスになったつもりで、心の奥底から浮かんできたものに対し、とことん素直になってそれを追求してみるべし。
9月「いつも以上に内省の時間を」
9月は2日と19日の2度にわたっておひつじ座にある「増大/肥大」の木星と、「言語化」の水星が向かい合っていきます(180度)。
木星は“過剰さ”や“勢い”を引き出しますから、この配置が連続していくこの時期は、まるで駆り立てられるかのように、言葉や発言がつねに外に飛び出していくでしょう。普段なら我慢したり流してしまうような状況でも黙っていることができずに物申したり、直接的なかたちではなくても、SNSやメールやブログなどで思いのたけを伝えてしまうはず。
できれば、言いっぱなしで終わるのではなく、日記をつけるなどして、自分が発した言葉の重みを噛みしめるだけの内省の時間もきちんとつくっていくべし。
10月「とりあえず1杯!」
10月12日にはおひつじ座の守護星で「リビドー」を司る火星と、「トランス」を司る海王星とが鋭くぶつかり合っていきます(90度)。
火星やその加護を受けているおひつじ座というのは、基本的にせっかちでオフィス街のサラリーマンのように目標に対してまっすぐに向かっていこうとするのですが、海王星の影響を強烈に受けるこの時期は極端に緩もうとするので、まだ明るいうちから街の路地裏に入っていって「とりあえず1杯」なんてことは朝飯前となっていくはず。
ただし、それは一時的に羽目を外すというより、あえて街で勝とうとするのでなく、それでいて負けもしないやり方を選んでいくべく、銭湯のスタッフにでも転身して新しい生き方を模索していくくらいのニュアンスに近いでしょう。できるだけ常識や建前から離れた場所での癒し体験から今後の方向性を見据えていくべし。
11月「運に運ばれるために」
10月28日にいったん木星はうお座に戻り、今月から12月20日に再びおひつじ座に戻るまでのあいだ、改めて2022年下半期の全体運で述べた「大胆な表明」を実行し、周囲の景色をガラリと変えていくための準備や再調整を行っていくことがテーマとなっていきます。
そこで鍵になってくるのは、きちんと「努力の限界」を認識していくこと。それは 「努力すれば報われる」という言葉は半分は正解で半分は間違いであり、いまは後者の間違いをこそみずからの中に見出していかなければならないということでもあります。
自分ひとりでやれることなんてたかが知れてるからこそ、何か大きなことを成し遂げるためには周囲や大切な人との交わりによって「運に運ばれる」ことが大事なのだとしかと噛みしめて。
12月「七転び八起き」
12月20日におひつじ座に木星が移ると、22日の冬至すなわち太陽のやぎ座入りのタイミングで両者が鋭くせめぎ合っていきます(90度)。
冬至というのは1年で日が一番短く、闇が最も深くなると同時に、それを乗り越え、地上に再び光を取り戻していく重要な契機ですが、そうした復活劇は特にこの時期のおひつじ座の心象風景にも大いに重ねられるでしょう。
通常、12星座を一連の流れで捉えるとき、おひつじ座は始まり、やぎ座は結果をそれぞれ表しますが、この場合、みずからの過去の失敗を含めたさまざまな経験をふまえつつ、思いがけない新しい試みを始めていくことになるかも知れません。失敗を糧にして、最後には必ず結果につなげていく「七転び八起き」という言葉を体現するべし。
2022年下半期:おひつじ座の「お守りにしたい言葉」
ギャッツビーは緑の灯を信じた。悦楽の未来を信じた。それが年々遠ざかる。するりと逃げるものだった。いや、だからと言って何なのか。あすはもっと速く走ればよい、もっと腕を伸ばせばよい……そのうちに、ある晴れた朝が来て―(フィッツジェラルド、小川高義訳『グレート・ギャッツビー』光文社古典新訳文庫)
アメリカンドリームとその破綻を描いたこの小説において、主人公のギャッツビーは結果的に、時代の空気が読めない愛すべきバカ男となった訳ですが、そうなりたくてもなりきれない自分に鬱屈している人間はいつの時代も少なくないのではないでしょうか。
だからこそ、「流れに逆らう舟」として夢中でこぎ続けたその生き様を伝えるこの小説最後の一節は、いつも瑞々しく繊細に響いてくるのかも知れません。
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