おうし座
周囲を照らす星となれ!
ブラックスワンの発見
おうし座の一つ手前の星座であるおひつじ座に「勢いと拡張」の木星がめぐってくる2022年下半期は、おうし座にとって「パズルのラストピースを見つけていく」時期と言えるでしょう。
うまくいけば、もうこれ以上は無理と感じていた手詰まりな状況や、解決が困難であると感じていた問題に対して、思いがけない場所で解決のヒントを得たり、あまり予想していなかった形でブレイクスルーがもたらされていくはず。
ただ、それには確固とした主体としての自分が客観的に世界を判断したり、操作したり、消費したりしているといったスタティックな世界観から脱して、流動体のような自分がどこにどんな風に流れ込み、投げ込まれて、変化していけば、世界の欠けた部分を埋めていけるのか、ないし、よりよい世界を制作していくことができるのか、といったダイナミックな世界観に入っていく必要があります。
そこでは、長年白色の種しかありえないと思い込まれてきた白鳥の中に「ブラックスワン(黒鳥)」の存在が発見され、驚きをもって受け止められていくのと同じような出来事も起きてくるかも知れません。
もちろん、普通は「ブラックスワン」という言葉は、自然災害や経済危機など、突発的で望ましくない出来事や異例の事態に対して用いられるのですが、2022年下半期のおうし座に重ねて言えば、これまで「なんだか物足りないな」とか「ほどほどに落ち着いてしまっているな」などと、かすかな虚しさや危うさを抱えていたこころの一部分が、思いがけず払拭されるような形で現われてきやすいでしょう。あなたの人生はまだまだ途上にあり、そこでは“滑稽”などということはありえないのだと肝に銘じるべし。
2022年下半期:おうし座の各月の運勢
7月「現実以上にリアルな夢を」
7月14日におうし座の守護星である「楽しみ」の金星は「夢見」の海王星と鋭くぶつかり合っていきます(90度)。
世俗的で、わいわいと気軽に楽しめるようなものには、これまで以上に興味が向かなくなり、代わりに遥か彼方の異国の風土や、中世であれ古代であれ、「ここではないどこか」への憧れが強烈に発動されていきやすいでしょう。
放っておくと、とんでもない“ないものねだり”に陥りかねないので、この時期はできるだけ沈香や白檀など俗世間の臭気を消し、精神が鎮静化する効果のある香りをまとって、日常生活の中でも精神的な領域をさまよい、現実以上にリアルな夢を渉猟していくだけの余裕と時間を保っていきたいところです。
8月「機械術、魔術、実験」
8月2日におうし座で「行動力」の火星と「先見性」の天王星が重なっていきます。
この時期は、「こうであるべき」という理想と現実のギャップに対する不満が大きくなったり、仕方ないと自分を黙らせておけなくなって、ついに既存のやり方や慣習そのものを粉砕・改変していこうという、突発的な動きが出てきやすいでしょう。海王星は完全に現実を無視することができるのですが、天王星はどうしても現実を乗り越えたくなって、機械術や魔術や実験に手を出しては、自然のなりゆきとは異なる結果を求めていくのです。
たとえ周囲から浮いて孤立することがあったとしても、この月に動き始めたことは「仕方ない」と現状に迎合することなく、最後までもがきつくしてみるべし。
9月「知的/精神的変容のためのエクササイズ」
9月16日におうし座の守護星である「楽しみ」の金星と、「出会い」の火星が鋭くぶつかり合っていきます(90度)。
この配置はとかくジェットコースターのような恋愛感情を煽りやすいとされていますが、大きな揺らぎが生まれて安定が傾いていくというだけで、別にこの時期に新しい恋人をつくらなければいけないという話ではないんです。
むしろここでは、関わりを思いきり拡げて色んな相手との議論や世間話を活発に行ってみたかと思えば、家に引きこもって文献を読み漁ったり、自分なりの考えをまとめてみたりといった、「知的/精神的な変容」を遂げるためのエクササイズに取り組んでいくくらいのつもりでいるといいかも知れません。
10月「女優モードにスイッチ・オン」
10月2日におうし座の守護星である「美意識」の金星と、「公共的なところ」を司る木星が真正面から向かい合っていきます(180度)。
この時期は、金星はこじんまりと個人的なところでおとなしく楽しんでいるだけというのはまず無理でしょう。というのも、あなたの意識は完全に女優モードになるため、振る舞いやリアクションはいつも以上に派手に堂々と、大げさになりますし、自然とできるだけ目立つ場所に立ったり、積極的に世間の視線を浴びようとするようになるから。
いっそ何かのお披露目式やセレモニーに出席する女優になりきって、演技に没頭していくくらいのつもりで過ごしてみるといいでしょう。
11月「気分は『情熱大陸』」
10月28日にいったん木星はうお座に戻り、今月から12月20日に再びおひつじ座に戻るまでのあいだ、改めて2022年下半期の全体運で述べた「パズルのラストピース」をきちんと埋めるべく、自分が実現したかった人生とは、生活とはどんなものだったのかを再確認していくことがテーマになっていくでしょう。
そして、そこで鍵となってくるのが「情熱の源泉」。これまでこみ上げてき衝動や情熱はいったいどこから湧いてきたものなのか、この機に自分の原点とも言える場所や体験に立ち返って、オリンピックに臨むアスリートのごとく、自分をそれに全力で捧げてもいいと思えるものにエネルギーを集中するべし。
12月「じぶんを“うつわ化“させていく」
12月2日におうし座の守護星である「親和力」の金星は、「制限と形式」の土星と小気味よく協力し合っていきます(60度)。
普通に考えるとこの組み合わせは「節度をもって楽しみましょう」ということになるのですが、ここではむしろ「自分ひとりだけ」からの脱却として現われてきそうです。たとえば、バスや電車であれ車であれ、乗り物の座席を独り占めして好き勝手やるよりも、多少セーブして荷物をまとめ、つねに横に誰かが座れるくらいの余白をつくっておくことで、自分だけでは作り出しえなかった喜びが生まれたり、そこで自分自身も変わっていく可能性が担保されるはず。
気ままな「おひとりさま」ではなく、自分自身を丁寧に「うつわ化」させていく境地を楽しんでいきたいところです。
2022年下半期:おうし座の「お守りにしたい言葉」
わたしは、今負けることがわたしにとって何を意味するかを、恐怖とともに感じ、一瞬にして意識した!この賭けにわたしの全生命がかかっていた!(ドストエフスキー、原卓也訳『賭博者』新潮文庫)
家庭教師としてパッとしない生活を送っていた青年が、高慢な恋人との狂った恋の成り行きから賭博場でルーレットの魅力にとりつかれていくこの作品は、前半こそやや退屈なのですが、途中ノンストップで賭け続けるお婆さんが登場してから急激に面白くなっていき、そこから登場人物たちは最後までその熱狂ぶりを全開にしていきます。
特に、先に挙げた一節は、主人公の「わたし」がみずからに祝祭的魔力を宿らせた瞬間を捉えたものであり、これもまさに「ブラックスワン」の1つなのだと言えるでしょう。
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