おうし座
治癒の現象学
からだは素直
今週のおうし座は、「僕よ寒くて僕のどこかを掴んでゐた」(大塚凱)という句のごとし。あるいは、みずからの自己愛と欲求不満を、何かみずみずしいものへと変換していくような星回り。
出だしの「僕よ」という呼びかけは、他人の事よりまず自分事を優先していくべき今週のおうし座にはまさにうってつけだし、何より普通あまり使わない言い回しで面白い。
続く「寒くて」という実感によって、グイっと意識を内側に引き寄せることに成功しているが、そうかと思うや否や「僕のどこかを掴んでゐた」で読み手は呆然とさせられる。
いや、これ過去形じゃん。
自分でも気づかないうちに、体がとっさに動いていたのだろうか。時制が過去へ戻っていくのに乗じて、そんな考えが脳をかすめて通り過ぎる。
そういう意味でこの句は、どこか芝居がかかったところのある思考や知性が主体となっている前半部分と、考える間もなく咄嗟の行動に出た身体が主体の後半部分とに分けられ、こうした構成そのものが後者の身体的ないし本能的な自分自身の発見を際立せる効果をもたらしている。
それもあってか、掲句に親しんでいると思考や知性を邪魔だと思うより、そういう回路を通じてこそ、私たちは自分の身体に素直になれたり、身体性の次元でみずからを受け入れていくことができるのかも知れないという気がしてくる。
もっと自分に素直になっていいんだというのは、今週のおうし座にとってきっと重要なメッセージとなっていくだろう。
自分で自分をさする
子供の頃、お腹が痛くなるとおばあちゃんやお母さんにお腹をさすって治してもらったことはあるでしょうか。
別にお父さんや友達でもいいのですが、常識的にはそんなことをしても治らないという場合でも、さすっただけで治してしまうのは子供のおばあちゃんやお母さんが多いんです。
これはどうしてだろうと、個人的にも不思議に思っていたのですが、最近、どうもそれは自分より子供に波長を合わせようという気持ちが強いからではないかと考えるようになりました。
今週のおうし座にとっても、恐らく同じことが言えるでしょう。つまり、なんとなく手が伸びて掴んだり、さすったりしていると、自然と波長が整ってきて想像以上に治癒効果があるのです。
心地よい共鳴を求めて、根気強く自分自身をさすってみてください。そこで生じる自分へのシンパシーは他のなりよりもあなた自身にうるおいをもたらしてくれるはずです。
今週のキーワード
波長を合わせる