さそり座
頭上の星と、地上の星
誓子とすばる
今週のさそり座は、「露けき身いかなる星の司どる」と詠んだ山口誓子のごとし。あるいは、肩に力を入れ過ぎることなく、むきだしの魂を胸元から差し出し、空へと手を伸ばしていこうとするような星回り。
秋の夜では東の空に姿を見せるプレアデス星団、日本名では「六つら星」について、山口誓子という俳人はしばしばその美しさを讃える句を詠んでいました。
もし自分を司どる星をひとつ選べと言われれば、躊躇なく「すばる」と言うほどに。
「枯枝に燃えつかむとす昴星」
風に枯れ枝が揺れると、すばるもきらきら閃く。今にも燃え尽きそうな印象であり、誓子がそこに自らを重ねていたことがありありと伝わってきます。
この世界では、自分を見失う経験を経ることで、初めて自分を見出していく、ということがあります。
今週あなたは、誰か何かと交流をはかっていこうとするでしょうし、それを契機とすることで改めて自らの魂の在り様を再発見していくことになるかもしれません。
自分自身を信じるために
別に難しいことを言おうとしてしている訳ではないんです。
ただ、「魂」というのものが、感覚としては、自分と縁ある人との“あいだ”にこそ宿っていくものなのではないかと、そんな風に思えてくる時がある。
今週はおそらくあなたにとっても、そんなタイミングであり、だからこそ自分が一番に結びついている相手は誰かとここで問うておきたいのです。
それがたとえ動物やモノや星や、あるいは死んだ人間であったとしても、そこで生まれた絆は必ずやあなたを導いてくれる。
たとえ神や仏でなくても、自分自身を信じさせてくれるのならば、その相手はあなたにとっての神と言ってしまってもいいはずです。
今週は改めてあなたの頭上に輝く星を見つめ、言祝ぎ、引き寄せていってください。
今週のキーワード
距離を消す