さそり座
一吹きの巨大な風として生きる
※2021年1月4日~1月10日の占いは休載とさせていただきます。(2021年1月3日 追記)
おのずから運ばれていく
今週のさそり座は、風の歌を歌おう。あるいは、これまでの自分とは全く異なる価値観に触れていこうとするような星回り。
風は決まった行き先を持たず、あてどなく吹いていく。さらに言えば、風はどこに向かって吹こうかと思い悩むこともない。
人生がもし風だとしたら、そこには予測可能性をいうものがなくなる。風に舞う雪や枯葉を受け止めようとして追いかけても、つかまえることはできないように。
風を知り、風を読むとは、風の方向を知ることだが、方向は感覚によって決まるものであって、事実や形式によってではない。ひとつひとつの事実にこだわっていれば、いたずらに風に飛ばされ続けるだけだろう。
風を知るとは、風を感じるということであり、風とひとつになって、重力から自由になり、おのずから運ばれていくということ。
30日にさそり座から「遠く高い場所」を意味する9番目のかに座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、翼のはえた蠍のごとく、いつもだったら行かない場所や、まず自分ではしない選択を取り込んでみるといいかも知れない。
たましいの向け変え
天の外側へ顔を出したたましいは、人間を食べて生きる。
天の内側に残っているたましいは、人の意見を食って生きる。
(シモーヌ・ヴェイユ『重力と恩寵』)
今のあなたはどちらのたましいだろうか?
“よく生きる”とはいわば、後者から前者へとたましいを向け変えていくことであり、実在しない幻想にとらわれた状態から、自分なりの真実へと接近していくこと、という風にも言えるのではないか。
内輪の「意見」の吹き溜まりとしてではなく、人間そのものもまた貫き、通り抜けていく風そのものとなっていくために。
今週のキーワード
超越的存在としての人間