さそり座
気持ちが流れるままに
第六感のささやき
今週のさそり座は、「蛸の足食べて火星に近づく日」(岩淵喜代子)という句のごとし。あるいは、あさっての方角にある未来に気持ちが引っ張られていくような星回り。
チンパンジーだけでなく、クジラやタコといった生物が人間が思っているよりずっと賢いらしいということは、今日やっと一般的にも知られるようになってきましたが、それでも彼らが何を考えているのかまでは分かっていません。
そもそも知性の在り方そのものが人間のそれとはまったく違っているのかもしれないし、もしかすると彼らなりの判断では、人間のことをめちゃくちゃおバカな種族だと見なしている可能性だってゼロとは言えない訳です。
スペースX社の創設者であるイーロン・マスクは、2050年までに100万人もの人類を火星に送る計画を立てていることは有名ですが、どうしてもクジラやタコが考えている内容が明らかになるのとどちらが先になるか、などと考えずにはいられません。
西洋ではタコのことを「デビル・フィッシュ(悪魔の魚)」と呼び、世界的に見てもタコを食用にしている国は大変珍しいそうですが、実際に食べてみて初めてわかるものがある、掲句はそんな不意に働いた第六感のささやきのようでもあります。
5月30日にさそり座から数えて「中長期的未来像」を意味する11番目のおとめ座で、上弦の月(動き出し)を迎えていく今週のあなたもまた、遠い先の未来をぐいと現在へと引き寄せるためのアクションをどれだけ取っていけるかがテーマとなっていくでしょう。
感情の爆発力
物理的にであれ精神的なものであれ、遠くへ行くことができるのは、それ自体ひとつの才能なのだと言えます。そして水のサインであるさそり座の場合、その成否をわけるのは、どれくらい思い切ってこれまで貯め込んできた感情の堰を切ってしまえるか。
例えば、言語連想テストなどで「山」と言うと、大体の人が「川」と答えますが、ここで「煙突」と答えるような人は相当に独創的な人か、あるいは相当におかしな人かのどちらかでしょう。
「山」と聞いて、「登る」ことを連想し、さらにそれが「高さ」と結びついて「煙突」へと行き着いたのだとすれば、それは本人が「高さ」というイメージに何か感情的に結びついていたのかも知れません。機械反射的に「川」と言ってしまえばいいところを、いわば感情に流されたのです。
言い換えれば、そうやって感情に流され、イメージが飛躍していくのも一つの爆発力の発揮であり、そうである以上はそれを利用していけばいいということ。今週は、自分が我慢してきたことや、表に表すことができずにきたことを思い切って解き放っていくのに、ちょうどいいタイミングと言えるかも知れません。
今週のキーワード
言葉とイメージの飛躍