さそり座
面白がってナンボの人生よ
優等生発ヘンタイ行き
今週のさそり座は、自らの病いを自覚した優等生のよう。あるいは、ヘンタイの底に希望を見出していくような星回り。
「立派な主婦と自信たっぷりのおっさんが苦手」とはっきり述べていたのは、栗本薫が中島梓名義で書いた『コミュニケーション不完全症候群』の中でだった。
巷にアイドルが溢れているいまの時代、愛されたい、選ばれたい、といった声なき声は男女関係なくあらゆるメディアから発され続け、SNSで何かを自慢することでそれらの埋め合わせを必死にしようとしている人たちは死ぬほどいる。
みんなしんどくないのかな。
中島梓は1991年の時点で「いまの世の中、ヘンタイにならんで生きてゆけるほうがどうかしてるんだぜ」と喝破していたが、優等生でなくたって、好きな人に振り向いてもらえなくたって、なんだって、好きに生きていいんだよってことは、もっと知られてもいいはずだ。
今週は7日にいて座で新月が形成される。さそり座にとっていよいよ本格的に自分を世間にさらしていく時代の始まり始まり。
せっかくだから、時代や社会に負けないで、正しさの強制から自由でいよう。そうしよう。
人生はすべからく喜劇
大きすぎる幸せや過剰な期待に取りつかれていることに気付いたとき、人はようやく自分の弱さを理解し始め、訪れた不幸を笑ってしまえるだけの余裕を持てたとき、人は少しだけ強くなれます。
その最中にあるような今週のあなたにとって、必要な認識は「人生はすべからく喜劇」であるということ。
みな誰しもが滑稽な人生を送っているのに、その面白さに気付かないまま、悲劇の主人公のような顔をしてみたり、他人の人生ばかりを面白がってしまいがちですが、やはり何と言っても一番面白いのは自分の人生に他なりません。
自らの強さと弱さを痛感する中で、自分という存在の味わい深い価値を見出していきましょう。くれぐれも、深刻にならないようご注意を。
今週のキーワード
チャップリンの『独裁者』の演説シーン