さそり座
自分で自分を満たす
豊かな孤独
今週のさそり座は、自ら必要な養分を作り出していく植物のごとし。あるいは、草タイプのポケモンが、「こうごうせい」という技を使って体力を回復させていくような星回り。
古今東西の詩人や宗教家たちは、真に美しいもの、価値あるものは深い孤独からしか生まれないと繰り返し説いてきました。
しかしそれは豊かな孤独のことであって、現代における孤独は彼らが言及してきたものよりもずっと貧しいものになってしまったように思います。
例えば、20世紀における最も優れた詩人のひとりであろうライナー・マリア・リルケは、
真に愛を育てるのは孤独で、恋する2人はお互いに孤独に耐えることで初めて、相手に対する愛を純粋に大きく育てていくことができる
と述べていました。
リルケは愛のない両親のもとに生まれ、陸軍学校の寄宿舎へ幼い頃から入れられて、人生の始まりにおいて孤独地獄を味わい尽くした人でしたから、これは何の不自由もなく幸福に育った人の寝言などでは決してありません。
今週のあなたもまた、みずからの孤独に耐え、孤独を見つめることを通じて、少しずつでも孤独を豊かにしていくということを身をもって実践されてみるといいでしょう。
免疫ができる時
以前、ムツゴロウさんが雑誌のインタビューか何かで、生き物と本当の意味で遊べるようになるには、いかに免疫を持つかというのが大事なのだという話をされていました。
例えば、ゾウが遊ぶところというのは、泥とか水たまりに糞や尿が入り混じっているような場所なので、そういう泥水が多少体の中に入っても多少の下痢ですむくらいの体じゃないとダメなのだそう。
そしてこうした体質というのは、ムツゴロウさんのような天性の人もいますけど、後天的に花開いてくるという場合もあるのではないでしょうか。
それは例えば、本当は怖くてたまらなくて、身体が震えてきたり、顔から血の気が引いたり、座り込んで泣きたくなったりしている自分に対して、なんだか可愛いなあ、生きてるなあ、生きものだなあ、と思える時だったり。
つまり、豊かな孤独というのはそういう時間なのだと思います。
そういう時間を経てやっと、この世界の真に交じり合うための体質や、免疫ができていく。自分で自分を癒したり、満たしたりする回路を作っていくということを、今週は改めて模索、実践されてみてください。
今週のキーワード
さそり座的な自浄作用の働き方