いて座
ふりと触覚
ふりから未来へ
今週のいて座は、縄文土器の縄文に触れていくような感触をしかと覚えるがごとし。すなわち、ごっこ遊びから変身へ。未来を作るのに必要な素材や記憶を探っていくような星回り。
「まねる」ということもまた、呪術としての“ふり”であり、ふりを合わせることで、目の前の相手が自分の中に入ってくることがあります。
例えば松尾芭蕉は『おくのほそ道』で福島の信夫の里を訪れた際、次のような句を詠んでいる。
「早苗とる手もとや昔しのぶ摺り」
この地方に遺された「しのぶもぢ摺り」は巨石で、古代において染色に使われていたと言い伝えられているが、芭蕉は田植えをする早乙女の手つきにふりを合わせることで、石を用いたとされる染色の際の手つきを感じ取った訳です。
見えない壁を突破するにはやは、り何よりも自分の実体験をベースに臨むべきです。
今週は思わず手で触れ、動きや流れをなぞりたくなるものと出逢ったら、それが人生を次のステージへと進めていくための鍵と知ろう。
触覚の効用
私たちは日頃、見える部位や触れられる部分など、じつに断片的な知覚データをなんとかひとつにまとめて「自分の身体」としてまとめ上げています。
未来を作るためのごっこ遊びというのも、ある意味でそれと似たようなところがあるのかも知れません。
あるいは、いろんな風景や記憶を、手つき、身振りに変換していくことで、自然とこれまでとは異なる生き方や生活に導かれていくということがあるのです。
これは「触覚」を刺激することで脳の中の「橋脳(きょうのう)」と呼ばれる部分が刺激されるからとも考えられます。
橋脳は、感覚が入力される場所で、視野を広げて物事を視覚化していく情報処理機能と言えますが、橋脳が活性化していくことで未来への展望も開けやすくなっていくのです。
そんなわけで、今週はぜひ触覚を刺激して満足させていくことを心がけてみてください。
今週のキーワード
未来づくりは身体づくり