いて座
どこでも生き延びられる強さを
サバイバルとしての越冬
今週のいて座は、「毛皮はぐ日中桜満開に」(佐藤鬼房)という句のごとし。あるいは、別の仕事へ取り掛かっていく予感に吹かれていくような星回り。
毛皮はかつては厳しい寒さの冬を耐えしのぐためにどうしても必要なものでした。毛皮を剥いでいた男は、満開の桜をみて、ようやく冬を越すことが出来たという安堵の思いでいっぱいだったはず。
かつて毛皮をはいだり動物の死骸を処理する仕事は、自分の耕作する土地を持っていなかったきわめて身分の低い者たちの職能であり、仕事そのものも決して生易しいものではありませんでした。
なにより、血の匂いの濃さというのはぬぐいがたいものであり、そうした光景と農作業の開始の合図であり、平安時代以降は雅なものとされてきた桜の開花の出会いは、ある種異様なものとして感じられます。
とはいえ、それこそが本来の自然と向き合う人間の姿であり、農民だ狩猟民だ身分だ文化だという区分けはその後に人間が付け加えてきたものに過ぎないのだと言えます。
3月22日に試練と課題の星である土星が、いて座から数えて「生きていく上でのサバイバル能力」を意味する3番目のみずがめ座に入っていくあなたもまた、個人としてこの不安な世界を生き延びていく上での基礎訓練を改めて施していくことが今後のテーマとなっていきそうです。
重さに耐えうる体作りを
冬を越える困難と通じるものとして、耐G訓練が挙げられます。これは成層圏を越えて広大な宇宙へロケット打ち上げる際、一気に加わる加速や強烈な垂直Gに耐えるためのもので、通常の人間が耐え得る重力は4~6Gとされているところを8~9Gまで耐えられる感覚を養成するため、多くの訓練生が一時的に視力や意識を失ったり、嘔吐を繰り返すのだと言います。
もちろん実際の航行時には耐Gスーツを着用するのですが、あらゆる状況下を想定するためにも、このような訓練が絶対に必要とされるのです。
宇宙空間に出ていく者が、必ずこうした想像を絶する重圧というハンディに耐える経験を積んでいるということは、非常に考えさせられます。その際、もともと耐G性が弱い人も出てくる訳で、そういう場合は、下半身の筋力や持久力を走るトレーニングなどで徹底的に強化したり、特殊な呼吸法を習得することで、なんとか気絶しないような身体を手に入れて、乗り越えていく。
今週は自分に負荷をかけられる学びの機会があるなら、進んでそちらを選択してみるといいでしょう。
今週のキーワード
下半身と持久力