いて座
瞑想と鎮魂
腑に落ちるまで
今週のいて座は、「地の下に雷を感ずる冬至かな」(松瀬青々)という句のごとし。あるいは、ひそやかに自身の魂を鎮めていこうとするような星回り。
冬至は日が一番短くなって、闇が底を打っていく極みのタイミングでもあり、今年は12月22日にあたります。
この句では、そんな冬至の日には、真下の地底でゴロゴロと雷が鳴っているというのです。むろん、客観的描写ではなく、作者の直感がとらえたまぼろしでしょう。
いずれにしても、その音は深々とした瞑想的深みのなかに入っていく誘導音声のようであり、掲句はいて座の季節が終わりを迎えつつある今のタイミングのあなたにふさわしい根本情調を成しているのではないでしょうか。
まずは、自分の身の内に走る雷のごとき予感をきちんと腑に落としていくことに集中していきたいところです。
引いて、越すということ
現在というのは、未来からくるものです。私たちはふだん、何も考えず生きていても自動的に過去から未来に移っていると思ってしまっていますが、これはとんでもない勘違いです。
たとえば「引っ越し」というのは、過去から未来に「引いて」、「越す」と書きますが、これは言い換えれば、生きるということは絶えず「バック・トュー・ザ・フューチャー(未来に戻る)」プロセスであるということの端的な表れなのだと言えます。
今週のあなたもまた、これまでの古い家から身を「引いて」、来たるべき新しい家へと「越して」いかなければならないんです。
そうしないと、古い自分に閉じ込められて、過去に自分が作り出した残像に執着して、迷いの世界にさまよい込んでしまう訳です。
そういう意味で今週は、改めて幸せの在り処が過去にではなく、未来からやってくるものなのだと思い直し、「引っ越し」していくタイミングなのだとも言えるでしょう。
今週のキーワード
頭をなくしていく