うお座
通過儀礼的な日々
「女に性転換させられた」シャーマンの話
今週のうお座は、チュクチェ族に伝わるシャーマンの伝統のごとし。あるいは、偶然巻き込まれた運命の先に自分なりの役割を見出していくような星回り。
北東シベリアの遊牧民族チュクチェ族では、シャーマンは神霊の象徴的な「妻」として女性の衣装をつけたり、男同士で公然と結婚したりすることで知られています。
さらに、ロシアの人類学者W・ボゴラスは、「女に性転換させられた」とされる特別なシャーマンの存在について、次のように報告しています。
ある男は、子供の頃から周期的に一定の病気を発病していたが、これを治療するため、お告げを得て女装した。神霊は、病人を癒すため、それを識別しやすくするために、女性の髪型を要求することがあるとも言われる。少し進んだ段階では、女装した男性は、職業的・仕事的にも全く女性化する。女性の仕事である針仕事や皮みがきをはじめ、筋肉もすっかり女性的な感じになる。この段階になると、男の性的興味をひくことを求めるようになる。」(栗本慎一郎訳「同性愛の経済人類学」
彼らは「柔弱な男」とか「女のような男」と呼ばれていたそうですが、ある意味で自分の属していた社会の共同利益のために、いかにしてエクスタシーを行使するべきかを段階的に知っていたのだと言えます。そしておそらく、いつの時代のどんな社会にも、こうしたトランスジェンダー的存在は社会の必要に応じて出現してきたのではないでしょうか。
17日にうお座から数えて「意味のある偶然」を意味する8番目のてんびん座で上弦の月を迎えていく今週のあなたもまた、一般的には不運や損失だと思われるような出来事にこそ、隠れた利益や追求すべき貢献があるのだということを改めて実感していきやすいはず。
融通無碍に状況を楽しむ
仏教では「異なった別のものが一つに解け合っていながら何ら障害もないこと」を「融通」と言い、また「何の妨げもなく他のものを拒否しないこと」を「無碍」と言い表します。
そうした融通無碍の境地へと実際に至ることは、世俗に生きる人間には難しいことですし、だからこそ伝統的にシャーマンは共同体内で特別な力を発揮してきた訳ですが、少なくとも「矛盾の中にありながら、その状態を否定しないでいること」という点では、今週のうお座にとってとても大事なテーマなってくるでしょう。
なぜか?
そういう状態が、人間にとって一番サインや予兆やメッセージを「受け取る」ことができるから。
あなたは今、まさにこれからの自分の行先を占っている真っ最中なのだと言えるかも知れません。その意味で、今週のうお座は、できるだけ四角四面に物事を割り切らず、しばし融通無碍な時間を楽しむつもりで過ごしていきたいところです。
うお座の今週のキーワード
あたま真っ白