うお座
たまゆらの一瞬
不確定性関係
今週のうお座は、冷蔵庫をあけたときのフッとした瞬間のごとし。あるいは、無から新しい物質を生んでいくような星回り。
これは吉本ばななの『キッチン』という小説でのワンシーンなのですが、冷蔵庫を開けた瞬間にフッとおばあさんのことを思って、おばあさんが死んだら困るなと、死んだおばあさんのことが何か自分の中に蘇ってくる訳です。
要は、因果律に合わないことをやっているんですね。
ただ、そのときに、そばで誰かがそのことを否定できないこと分かってくれる時がある。「どう思う?」「うん」「そうだよね」「そうでしょ」みたいな。
言わば、ハイパー・コミュニケーションが起きていて、そこで合理的に計算されたものをはるかに凌ぐエネルギーが許されてしまう。それはエネルギー保存の法則を突き破る、たまゆらの一瞬とも言えましょうか。
2019年から2020年への時間の流れを生きている今週のうお座においても、そういう物理学における「不確定性関係」というか、恋が芽生える瞬間のような、困惑の悦びを感じていくことができるかも知れません。
ジョッキーのできること
最終カーブを曲がった後の最期の直線において、ジョッキーにできることは可能な限り「馬の邪魔をしないこと」なのだと言います。
ジョッキーと馬の関係は、言わばあなたの中のエゴとエゴ以外の純粋な部分とのハイパー・コミュニケーションであり、いいゴールを切るとは、エネルギー保存の法則を突き破るということでもあるのです。
馬の走りを邪魔するのはジョッキーの気負いや恐れ、疑う気持ちやイカサマ心。そんな余計なものは息ととともにすっかり吐き出してしまいましょう。大丈夫、リラックスして、あなたの「馬」を信じてあげることです。
「馬」とはあなたの自由、美、そして高貴さの象徴であり、最後の直線を駆け抜けるラストスパートでは、あなた自身の「馬」が解放されていけるかどうかが問われていく訳です。
それを困惑しつつも、気わず自然と出来たとき、まるで花が開くように恋と等しい‟新しい物質”があなたの内側から生じてくるはず。
今週のキーワード
私は私を記述できる私であるか