うお座
あえて毒杯をあおぐ
虹と使命
今週のうお座は、「虹自身時間はありと思いけり」(阿部青蛙)という句のごとし。あるいは、孤立した中でも内的真実をしかと追求していくような星回り。
虹自身が「時間というものはある」と思っているものだなあ、というのがおおよその句意。
虹は古代中国では竜のような獣と考えられていたそう。虹になり代わってその思うところを詠んでしまっているという、かなりぶっ飛んだ句ですが、その示唆するところは深いものがあります。
雨が上がった後に立ち現れる虹は、それ自身とても不思議な現象ですが、その虹自体が、意思を持った存在として、自身に与えられた時間を想っているというのです。
現われたかと思うと、たちまち消えてしまう虹の、わずかな期間をもしひとつの生涯とするならば、そこにはかなり濃厚な流れており、極めて強い死への意識を抱いているはず。
すぐに来る命の終わりという認識は、虹にとってあたりの景色を一変させるほどの強烈な影響をもたらすでしょうし、それゆえにこそ、多くの人が虹の存在、その一挙手一投足に心奪われるのかもしれません。
今週は週の始めの17日(月)にいて座で満月が起きていきます。うお座にとって、いて座は自分の星座から数えて10番目の位置関係にあり、これは「ミッション」や「使命」を意味します。
あなたもまた、さながら虹にでもなり代わったつもりで、自身の存在意義や為すべき仕事について、改めて思いを馳せてみるといいでしょう。
集群本能と孤立
集群本能は、人間が持ち得る本能の中でも強固なものの1つと言えますが、これは裏を返せば「孤立」こそが最も心の強い者をも怯えさせる脅威であり、それこそがどんな人間であれ擁護する心強いな助け舟でさえも打ち負かしてしまう「毒」なのです。
「では、自分でそれを試してみましょう!」
今週あなたがやろうとしているのは、そんな試みと言えるかも知れません。けれど、往々にして「真理」というものは、自分の手で実験することでしか確かめることができないようになっているのではないでしょうか。
すべての哲学者が同時に孤立者でもあるように、今週のあなたもまた、そうした実験を行っていくくらいのつもりで過ごされるべし。
今週のキーワード
ソクラテスの弁明