うお座
自動筆記な才能開発
才能が花開くとき
今週のうお座は、「星の香の少しく混り蕗の薹」(渡邊千枝子)という句のごとし。あるいは、これまであまり使っていなかったみずからの資質を試していくような星回り。
何と言っても「星の香(か)」という言葉が面白い掲句です。
星はふつう視覚的に表現されることがほとんどですが、ここでは嗅覚で捉えられている。でも、たしかに春先につんで天ぷらなどにして食べる「蕗の薹(ふきのとう)」はなんだか不思議な食べ物ですよね。
子供の頃はどうにも苦くて好きになれなかったものも、大人になっていつの間にか強い魅力を感じて楽しみにするようになった人も多いのではないでしょうか。
考えてみると、年齢の経過による嗜好の変化ということ自体も大変不思議ではありますが、今週のうお座のあなたもまた、これまで苦手としていたことやモノに触れてみたり、使っていなかった才能の引き出しを開けていくにはちょうどいいタイミングと言えます。
なんといったって、立春に新月ですから。
さながら自分自身が夜空の星を宿しつつ、新たに地上に受肉してきた「蕗の薹」になったつもりで過ごしてみるのもいいかもしれません。
未来はあなたの元に訪れている
「星の香」という言葉のチョイスには、どこか「自動筆記」で書かれた文章を思わせるところがあります。
この自動筆記というのは、あたかも何か別の存在に憑依されて肉体を支配されているかのように、自分の意識とは無関係に何かを書き出していってしまう現象を言います。
が、霊媒だとか降霊実験など大げさな言い回しで表現しなくても、私たちは少なからずこうした自動筆記を日頃から体験しているのです。
そう、六感とか虫の知らせが誰にでもあるように、未来は誰の元にも頻繁に訪れている。それは聞き間違いや、なんとなく発した一言など、実にさまざまな形で私たちの元に降りてくる。
ただそのことに気付くにはいわば「意識的無意識」ということを、どこまでできるかが問われます。
開かれつつ、待っていること。そして捕まえた途端に表現に変えること。この一連の流れを、今週はどうか大切にされてみてください。
今週のキーワード
自分のからだで実験してみること