うお座
振り返りと過ぎ越し
ひとつの転換点を
今週のうお座は、「正午の鐘鳴り止まざりき炎天下ひた走り希望を病みいし頃よ」という佐々木幸綱の歌のような星回り。あるいは、後になって自分の人生を振り返ってみた時に、ひとつの転換点となっていくような時を過ごしていくこと。
どこかの街か、それとも村か。正午を知らせる鐘が鳴り響いている時に、懸命に炎天下を駆けていた若い頃の自分の姿を、まだ希望があるんだというようなおかしなことを考えていたものよ、と振り返っているのだろう。
もはやとうに失われた熱情の想起。しかし、それを思い出し歌にしている作者の胸の内には、かつての熱が再びほのかに立ち昇りつつあるようにも感じられる。
なお、作者は歌人・佐々木信綱の孫に生まれ、口語体の短歌で大ブレイクした俵万智の師にあたる人物。
掲歌にも、そうしたまだ古典的な文語の世界に親しんだ作者の素養が色濃く漂っている一方で、自由に口語を織り交ぜて、やさしく表現していこうという姿勢も同時に垣間見える。
つまり、掲歌は歌の内容的にも、当時作者の置かれていた立場的にも、歴史の折り目に打ち込まれた楔のようになっているのだ。
こうした構図は、そのまま今のうお座のあなたにも通底しているのではないかと思う。
人生には何事であれ遅すぎるということはないのだ、と肚が決まったとき、私たちはひとつの転換点を見事に越えていく。今週は、そんなことを実感していけるでしょう。
進化していくとき
もし「進化とは?」と誰かに聞かれたら、あなたならどんな風に答えますか。
例えば英語に「nexus」という言葉には「連鎖」とか「結合体」という意味があって、また「passage」には「推移」や「抜け道」といった意味があります。
そうした「nexus」と「passage」の2つが交差しながら脈動していく時に物事は進化していくのだ、という風にも言えるかもしれません。
つまり、まったく違うカテゴリーに分類されていたものが偶然にも結びつき、生じたインパクトが周囲に驚きと不安をもたらしつつ、また別の偶然が連鎖的に生じて、そこにある一定の新しいベクトルが与えられ、道となっていく。
これはインターネットそのものの進化にも、企業やサービスの展開にも、ひとりの個人の成長にも言えることでしょう。
今週は、フォルダを整理しているうちに、しばらく閲覧していなかったデータが、不意に浮上してきたり、自分でも予想外の結びつきが不意に生まれたりといったことも起こりやすいはず。
そんな場面に際したときは、どうか恐れずに変化へコミットしてみて下さい。
今週のキーワード
「nexus」と「passage」