てんびん座
こちら愛、応答せよ
神はなぜアブラハムを重んじたか
今週のてんびん座は、アブラハムの問いかけのごとし。あるいは、日和見主義にならない仕方で平和志向を実践していこうとするような星回り。
聖書によれば、悪徳に陥ったとされるソドムの街を住人もろとも破壊しようとした神の採決に戸惑った長老アブラハムは、そこに正義を見出せなかったゆえに、「主の前に立った」と伝えられています。
アブラハムは近寄り、言った。「あなたは本当に、正しき者を、悪しき者とともに滅ぼしてしまわれるのですか。(…)そんなことは、正しき者と悪しき者とをともに殺すことは、あなたのするべきことではないでしょう。正しき者と悪しき者を同じように扱うことも。地上のすべてを裁く者は、正義を行うべきではないですか。」
主は言われた。「もしソドムに五十人の正しき者がいれば、そのものたちのために、その場所のすべてをゆるそう。」アブラハムは答えた。「主よ、(…)あえて申し上げます。正しき者が、五十人に五人足りなかったとしましょう。それでも、五人足りなかったばかりに、あなたは街の全体を滅ぼそうとしてしまうのですか。」「四十五人の正しき者がいたなら、破壊をやめよう」と主は言った。さらにアブラハムは主に語りかけた。「四十人いたらどうなさいますか。」主は答えた「その四十人のために破壊をやめよう」(…)それから(アブラハムは)言った、「おお、主よ、お怒りにならないでください。重ねて、今一度だけ申し上げます。十人いたとしたら、どうなさいますか。」「その十人のために破壊をやめよう」と主は答え、アブラハムと語り終えたとき、主は去っていかれた。アブラハムは自分の場所に戻った。(『創世記』第18章23-33節)
アブラハムは権威たる神に哀願しつつも、同時に不平を言い、疑問を投げかけ、批判をし、忍耐強く食い下がりました。つまり、自分で考えたことを賢明に語りかけたのであって、それゆえに神は「アブラハムのことを重んじた」(19章29節)のではないでしょうか。
12月30日にてんびん座から数えて「申し立て」を意味する7番目のおひつじ座で上弦の月を迎えていく今週のあなたもまた、本当に必要なときはアブラハムのように黙って受け入れる以外の言動に出ていくことができるかがテーマとなっていくでしょう。
愛を投げる
例えば、私たちがこれぞという相手に思い切って愛を投げるとき、それが「哀」や「曖(日が陰って暗いこと)」になっていないか、その「血色」をよく確かめなければなりません。大人の優しさというのは、つねに相手の魂を対象にしている点にあるからです。かといって、そんなもの、どうやって投げるのかって?
愛を投げるには、ただ真実を、宇宙を動かしている軸を知ればいい。たとえば暦や詩というのはそのために作られ、また編まれてきたものです。それを踏まえずに与えられる一時的な慰めこそ、魂に対する最たる侮辱(逆効果)であるということを既にあなたは身をもってよく知っているはず。
逆に、魂に対する配慮があれば、どんな嘘でもそれは愛になるのではないでしょうか。その意味で、今週のてんびん座は、普段から自分が何をどう投げているのか、またどこを対象にしているのか、いまいちど確かめていくのにはちょうどいいタイミングと言えるでしょう。
てんびん座の今週のキーワード
嘘と愛は相性がいい