てんびん座
余生の充実
※12月13日〜19日の占いは、諸事情により休載いたします。誠に申し訳ございません。
次回は12月19日(日)午後10時に配信いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
「ベーシック」を深める
今週のてんびん座は、自分で小屋を作ってベーシックに暮らしていくような星回り。あるいは、原点に立ち返って余計なことは何も加えないようにしていこうとするような星回り。
ここで言う「ベーシック」とは、節制や節約、我慢などによって現状を乗り越えて得られる崇高なものなどではなく、文字通り、生きるのに最低限必要なもの、という意味。
それにはまず、水と食料の確保。次に雨風をしのぎ、外敵の侵入を妨げる空間の確保。少し余裕が出てくれば、より快適な寝床を作るだろうし、実際、人間以外の動物は生きているうちのほとんどの時間をこれらのことに費やして一生を送っていきます。
それは「金はなくても心は…」といった貧乏賛歌でもなければ、「働いたら負け」といった行き過ぎたあまのじゃくでもなく、働きたくなったら働けばいいし、ゴロゴロしたくなったらすればいい、そして読みたい本があれば夜を徹してでも読むといった、誰にも邪魔されずに、自分のしたいことをする自由を確保するという、生き物としての“基本”へ立ち返るための試みなのだとも言えるかもしれません。
11日にてんびん座から数えて「自分なりの秩序」を意味する6番目のうお座で上弦の月(行動の危機)を迎えていく今週のあなたもまた、自分にとっての”基本”とは何だったのか、どうしたらそこへ立ち返ることができるのか、といったことがテーマとなっていくでしょう。
復員兵の境地
「戦時」から「戦後」つまり「平時」に戻り、軍務を解かれ帰郷してきた兵士のことを「復員兵」と呼びますが、今週のてんびん座はどこかそんな復員兵の心持ちと重なっていくところがあるかも知れません。
ややもすると、一度は捨てた命なのだから、彼らにとって戦後というのは‟おまけ”のようなものであり、もはや達観しているものと、多くの人は考える。けれど、もしそれが自分の成功や幸福そして社会の発展や平和の実現などへの無関心や軽視を意味するなら、それはまことに愚かなことと言えます。
一度は捨てた命だからこそ、本気で大切にするべきではないのか。生き残りだからこそ、第二の人生の荒波がどんなに厳しかろうと、残された余生を死んでいった仲間の分まで充実させて生きようではないか。
そしてそうした余生の充実は、ただ不安を大きくするために悩むことによってではなく、「平時」から問題に感じていることについて調べ、聞き、どうしたらそれを解決できるか、そのために尽くせるかを考え行動することによって初めて実現されていくものです。
ただ悩んでいるだけの人が多いこの世の中で、自分の他に誰がそれをやるのか、と。それくらいのつもりで過ごしていきたい今週です。
てんびん座の今週のキーワード
「必要最低限」の充実とは何か