てんびん座
DIY宗教
協力と理解
今週のてんびん座は、苦しむための結婚のごとし。あるいは、宗教性ということを実感する入口に立っていくような星回り。
昔の夫婦というのは、ただいろいろなことを協力して行い、それが一通り終わったら死んでいき、めでたしめでたしだった訳ですが、現代ではすっかり事情が変わってしまいました。
いまは先に「理解」というものが求められ、その上ではじめて「協力」が成り立つものとされるようになりましたが、相手を理解するには、まず自分を理解しなければなりません。
ただし、就活みたいに自分の長所や強みをというより、むしろ自分の欠落やその場所と大きさの地図を、自分できっちり認識していかなければなりません。それはとても苦しくて、しんどい作業です。
それが嫌で別の人を横目で探して不倫に走ったり、何度も何度も結婚したりする人もいるでしょう。そもそも「理解」という作業に向いてない人だって少なくないはず。
その意味で、20日にてんびん座から数えて「イコール・パートナーシップ」を意味する7番目のおひつじ座へ太陽が入り、春分を迎えていく今週のあなたもまた、結局のところ他者や結婚というのはこちらのコントロールを超えたものであり、ある種の宗教的な実践に他ならないのだということを何らかの形で実感していきやすいでしょう。
弱さを癒し、悪をまなざす
樹木は毎年年輪を加えて、時を記録していきます。意識しようがしまいが、あなたはこれまでの人生においても、個人的存在としてどこからか癒しを得てきました。また社会的存在としてまなざしを向け合って、交錯しあう視線の中で生きてきたはずです。
デュルケムやフロイトといった人たちは、そもそもなぜ人は社会を形成できるのかという問いへの答えが、「トーテム」への信仰にあると考えました。トーテムとは、各集団ごとに設定された特定の動物や植物のことで、基本的には神の使いですから、そのトーテムを殺したり食べたりすることはタブーです。ただ、年に一度のお祭りの際にはトーテムを殺して皆で食べたり、神に捧げたりする。そうしてトーテムに暴力を集め、そのことに悔いの念をもつこと、それが宗教のもとにもなっていると。
つまりトーテムにおいて、人は自らしでかしてしまったことへの後いの念と、それを許してくれる存在への崇敬の念とを結びつけていった訳です。
もちろん彼らの説が絶対的なものとは言えませんが、大事なのは自らの「弱さや暴力性の認識及び克服」は宗教の発生と深い関係があり、それは「個人的癒し」と「社会的まなざし」をどう自分なりに結びつけていくかという、樹木のデザインにも通じていくのではないかということ。
今週のキーワード
やりたくなくたって欲求に従うのである