てんびん座
新たなる星座
痕跡をたどる
今週のてんびん座は、「縫い閉ぢられぬ夢あり修司の忌」(澤田和弥)という句のごとし。あるいは、意図と意図とが繋がっていく。その繋がりに、また少し生かされていくような星回り。
「修司の忌」とは寺山修司の忌日のことで、ちょうど今時分とは正反対の季節である5月4日を指します。
ただ、友人知己や一部のファンを別にすれば、一般的には誰かの死去した季節や忌日なんて知らないほうが普通な訳ですが、作者の場合、みずからの第一句集に寺山の忌日俳句だけをまとめた一章を設けていることからも、寺山に対してどれだけ純真で一途な思いを抱いていたかがおのずと伺い知れるでしょう。
普通の俳句には季語があり、それが普遍的な共感の場となりますが、忌日を詠んだ句の場合、そこにあるのは秘かに書きとどめられた作者自身の思いだけであり、言ってみれば誰に見せる訳でもなくノートに書き綴られた日記のような心映えがあります。
掲句には、まさに寺山の作品や、人物、そして彼の生きた時代そのものへの切ないほどの思慕や、その遺志を引き継がんとする溢れんばかりの思いが見て取れますが、そんな作者もまた、若くしておのれの忌日を迎え、既にこの世を去っていきました。
22日(金)にてんびん座から数えて「移り変わり」や「循環するリズム」を意味する3番目のいて座に太陽が移っていく今週は、自分がどこかでその系譜を引いている誰かの思いとそっと繋がりが出てきやすいはず。
作者が句集のタイトルへ、寺山に導かれるように「革命」という言葉を採り入れたように、今の自分にふさわしい言葉をそうした系譜から引き入れてみるのもいいかも知れません。
同質同類は次元を超えて
どこかで誰かが「一本の草の根を引き抜いただけで宇宙は軋むことがある」と書いていましたが、確かに人間の認識能力のキャパをはるかに越えたところで作用している見えないネットワークの中には、意外な結びつきがゴロゴロしているもの。
例えば、夜空に赤く輝く火星と、解体作業で使われる鉄球、豚の生姜焼きに入っているショウガは、占星術において同じネットワークで結びついた同質同類の仲間であり、こうして目に見えないネットワークは存在のレベルやスケールを飛び越え自在な結びつきを保っているのです。
何が言いたいのかというと、あなたにもそんな見えない絆で結びついた(一見そうは見えない)同質同類が必ずいるのであって、意味のある偶然とは、そうした仲間の一本釣りに他ならないということ。
これはと思った相手には、体ごとぶつかっていきましょう。そうして、新たな星座をつくり出すように、離れた点と点を自分という宇宙のなかで結んでいってください。
それが今週のあなたのテーマなのだと言えるでしょう。
今週のキーワード
相即相入(そうそくそうにゅう)