しし座
生の強度を高める
鮮烈なる瞬間
今週のしし座は、「炎天を槍のごとくに涼気すぐ」(飯田蛇笏)という句のごとし。あるいは、みずからの生を生たらしめているその強度を瞬間的に増大させていくような星回り。
炎天下では、束の間の「涼気」など気休めにもならずに、瞬時に消し飛んでしまうものですが、この句では「槍のごとく」と強靭に意識を横殴りしてくるかのように描かれている。これはおそらく、作者の心理的な働きによるものが大きいのでしょう。
一瞬吹き抜けていった涼風から、何か目を見張るような閃きを得たのかもしれない。あるいは、誰かの顔でも浮かんだのかもしれない。いずれにせよ、その瞬間に作者の生が鮮烈によみがえったのだ。
今週のあなたにもまた、どこか力のみなぎっている様子を感じます。
ですがただ勢いまかせに能天気にのびのびやっていくいくというよりも、自分を圧倒してくるものの存在を鋭く感知していくことで、自分をより鋭敏に研ぎ澄ませていけるかどうか問われてくるでしょう。
「健康法」などいらない
「整体」という言葉が普及するきっかけをつくった野口晴哉(のぐちはるちか)は、自然に生きるとは何も獣のように山野を駆け回ることにあるのではなく、「白い飯を赤き血にして、黄色き糞にしていく」そのはたらきにこそあると言います。
いわく、
「生の食べ物を食べても、生水を飲んでも、海で泳いでも、森の中に入ってもそれが自然なのではない。人間という集合動物が街をつくり、その中に住んでいたって決して不自然ではないのだ。ただその生活のうちに生の要求をハッキリ活かすよう生くることが、生くる自然であることだけはハッキリしておかなければならない」(『月刊全生』)
と。
彼に言わせれば、健康法を気にしている状態などは、外部に自分の自意識(頭部のみ)を満足させてくれる材料を探している序の口に過ぎないのでしょう。今週は、あなたの身の内にある“よりよく生きる要求”、すなわち自然の言うことに耳をそばだてて、それを生活に活かしてあげるといいでしょう。
今週のしし座へのキーワード
整体>健康法