しし座
全体の一部としての私
私と私を超えるもの
今週のしし座は、「暗く熱く大群集と花火待つ」(西東三鬼)という句のごとし。あるいは、ひとつの“歴史”がターニングポイントを迎えていくさまを見届けていくような星回り。
掲句では、今か今かと花火の打ちあがりを待つ群衆は、まるで巨大な生きもののようになって、声を潜めて“その時”を待っています。
「私」もまたその一部であり、人々の期待が大きく膨れ上がっていくさまを肌で感じながら、やがて大音響で五色の光が華麗に破裂し、それに呼応して人々が歓声をあげる様子を見届けていく。
そして最後に、そうした一連の流れを俳句に落とし込むことで、時代を超えて人間の息遣いを伝えてくれている訳です。
人々の期待が「暗く熱く」膨れあがっていく、という表現は、ある意味で現代社会や資本主義経済を象徴するものとも言えます。
今週のあなたもまた、どこかで欲望や期待のうねりに翻弄されつつも、その決定的な瞬間を冷静にとらえ、自分なりの言葉にしていこうという表現者の魂が呼び覚まされてくるはず。
なお、ここでいう「決定的な瞬間」とは家族や会社、あるいは業界など、コミュニティーや共同体レベルのものとなりやすいでしょう。
宗教性が発露するとき
宇宙から地球に帰ってくると、みな多かれ少なかれものの考え方や感じ方が変わってしまうのだそうです。それは例えば、宇宙空間が、次のようなことに必ず思い至ざるを得ない環境だから。
これまで地球には無数の人々が生まれ、そのおかげで現在も人々は生きており、今後も多くの人が生まれてくる。そして自分もまた、そうして存在している無数の人間のひとりであり、自分の両親や、彼らの親がひとりでも欠けていれば自分は存在しなかった。
多くの人の交わりと、繋がれてきた命の連鎖を思い、編まれた縁を見つめる。
今週は、あなたが生きようとしているパターンも、過去無数に繰り返されてきたもののひとつに過ぎないと気付くことができるかもしれません。
今週のキーワード
存在の見えない連鎖