しし座
大きな背中に乗せられて
ライオン王アスラン
今週のしし座は、『ナルニア国物語』(C・S・ルイス)シリーズの、ライオン王アスランと出会う子供たちのごとし。すなわち、父性的な力に触れていくような星回り。
映画化もされた第1章『ライオンと魔女』では、かくれんぼをしていた4人のきょうだいが衣装ダンスの奥に広がる別世界の雪の森へと迷い込むところから始まります。そこで彼らはけもののビーバーから、森の王たるアスランについて聞かされる。
「……危険か安全かなどということは、問題にならないんですよ。しいて申しあげれば、もちろんあの方は、安全ではありません。けれども、よい方なんです。」
安全ではないが心から信じて従うことができれば、この上なく素晴らしい存在だというイメージは、そのライオンの姿形を通してより具体的に捉えられてきます。とはいえもちろん、ただのライオンではありません。
アスランはふさふさな黄金色のたてがみ、毛皮の温かな感触、ビロードのような足裏、力強い光を放つ王者の眼差し、そして「人間のようではなく、もっと深くて、もっとあらあらしく、またもっと深いもので、いわば重々しい黄金の声」(『銀のいす』)の持ち主であり、それは善でありながらも正視できないほど恐ろしくあるものなのです。
今週あなたは、アスランと触れるだけでなく、その背中に乗せてもらい、大きく柔らかな足裏を持ったけものが走る疾走感を味わうことができるかもしれません。
皮膚感覚が変わるとき
ではそんなアスランに触れるには、どうしたらいいのか。そのヒントは、4人きょうだいの1人であるルーシィが、別世界に迷い込むシーンにあります。
広大なお屋敷で、きょうだい達とかくれんぼをしていたルーシィは、毛皮のコートがぎっしりかかった衣装ダンスにもぐりこみます。足の下がじゃりじゃりするのをおもちゃか何かだと思いながら、毛皮のあいだを顔でかき分けながら奥に進むと、足の下は冷たくなり、毛皮の感触はちくちくしたモミの枝先に変わり、気が付くと雪の積もる森の中に立っていた。
そういう場所に、アスランは現れるのです。
鳥肌がたってくれれば分かりやすいですが、ざわ…と波が起きたり、そういう皮膚感覚が変わる相手や場所を探してみて下さい。
今週のキーワード
ヌミノース