しし座
恬淡たる鼓動
骨太な生命感
今週のしし座は、「冬山や径(みち)集りて一と平(ひとたいら)」(前田普羅)という句のごとし。あるいは、淡々と、しかし着実に、おのれの軸を定めていくような星回り。
じーっと詠んでいると、その表面的様相の裏にじつに重量感のある骨格があり、そこに骨太な生命感がそこはかとなく流れているのが分かってくるのではないでしょうか。
写生とは、生命感を写しとることに向かわなければなりませんし、それができたればこそ作品に永遠の命脈が付与されるのだろうと思います。
そもそも、しし座というのは火のサイン(おひつじ座・しし座・いて座)の中でもっとも静かに熱く燃える星座であり、それはいつ何時も動きを止めない心臓の動きのように、「関わる相手や物事にただ恬淡と自分の血を通わせていくことができる」という特質に裏づけられているのですが。
22日(日)に一年で日がもっとも短くなる冬至を迎えていく直前の、さながら夜明け前のひと時のような今週は、そんな自分の特質をよく思い出しつつ、できる限り生命感を宿していきたいところ。
星空を結ぶ糸(意図)
夜空にこれだけたくさんの星たちが集まって、肩を寄せ合うように瞬きあって居ながら、ひっそりと静まり返っているのが、すごく不思議に思ったことはありませんか。
がんばって押し黙っているのだとしても、時々、歓声でもよどみでもない声が漏れてくるくらいが自然なのではないか、と。時どき思うことがあります。
おそらく、かつてそんな風に不思議でたまらなくなった人が、いっしょに声をあげたのは、この星とこの星と、このへんに違いないと確信して、星座というまとまりを作ってしまったのではないでしょうか。
そして、そうした人間の営みもまた、心臓の鼓動のなせる業なのだと言えるかも知れません。
今週のあなたもまた、地上の自分や誰かをつなげ、結んでいくような縫い糸のごとき繋がりを、一つ一つ確かめていくことになるでしょう。
今週のキーワード
血を通わせる