しし座
運命と帰路
東方の三博士の旅路
今週のしし座は、ベツレヘムの星を見た東方の三博士のよう。あるいは、出現しつつある運命を受け入れ、みずから祝福していこうとするような星回り。
冬の夜空を美しく飾りて立てるオリオンの三ツ星には、上からミンタカ、アルニラム、アルニタという名が付いていますが、一方でこの三つの星はキリストの誕生時に輝いたとされる「ベツレヘムの星」に導かれた三人の博士にも見立てられることがあります。いわゆる東方の三博士です。
彼らは富豪であったとも、占星術師であったとも、学者であったとも言われていて、現在のパレスチナにあたるベツレヘムから遥か東方の国(おそらくアラビア)でいまだ見たことのない星の出現に驚いた彼らは、一体どこから出発し、どこで落ち合ったのか。
長い旅を経てはるばるエルサレムへ向かい、三人揃ってヘロデ大王に謁見し「ユダヤ人の王」の所在を尋ねたと言われています。
後に彼らは、自分たちが探しているのが救世主だと悟り、まだ厩にいたマリアと赤子の元を訪ね、黄金、乳香、没薬を捧げて拝み、その甲斐あってか、赤子も無事ヘロデの捜索の目を逃れ、エジプトの地へ渡っていきました。
オリオンの三ツ星の先にはおおいぬ座のシリウスがありますが、一説にはシリウスこそ「ベツレヘムの星」であり、イエス・キリストの誕生日である12月25日には三ツ星とシリウスが直線で並ぶように東の夜空から昇り、さらにその直線の示す下方に日の出(太陽=救世主の出現)を見たとされています。
12日(火)にしし座から数えて「お役目の全う」を意味する10番目のおうし座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、まだその意味を分からずとも、自身が仕えるべき運命を見出し、全うすべき務めを果たしていくことが求められていくでしょう。
運命の法則
古代世界において「運命」とは‟逃れようのない重荷”に他ならず、しばしば「運命を避けようとして行ったことが、かえって運命を呼び寄せ、さらに重くする」とパターンを伴なって繰り返し語られてきたものでした。
その意味では、先の「ベツレヘムの星」にしても、東方の三博士にとってそれは自分たちもまたヘロデ王に殺される危機と表裏であり、まさに運命に他ならなかった訳です。
今週のしし座もまた、誰かから不意に言われた一言や、たまたま目に飛び込んできた言葉をある種の「神託」として受けっていくことになるかも知れません。
その時、神託から目を逸らしてなかったことにするのか、それともじっとその予感の中に潜み、行動に移していくのか。それがあなたにとって岐路になっていくはずです。
今週のキーワード
重い腰を上げる