しし座
巷間にまみれる
業を衣装に見立てて
今週のしし座は、さながら世紀末ヨーロッパの文化的爛熟と、退廃的な雰囲気が感じられた当時のサロンに集う人々のごとし。すなわち、世俗にまみれきることで、そこで社会的人格を洗練させていくこと。
いつの時代であれ世紀末には幽鬼悪霊のたぐいの者共が多く出現し、複雑怪奇な世相を織りなすものと決まっています。
そこでは互いの関係性の確認をめぐる見せかけや裏切りに彩られた、絶望的な陽性主義とでも言うべき思想的特色が漂っています。
それはすなわち、人間のもつ「業」の肯定であり、そこで生じてくる怪しい光を、衣装としてまとっていく際の、不思議な高揚感とでも言えましょうか。
見せかけのための準備と、そうして成立した見せかけを今度は裏切っていくプロセスとを、どのくらいぎりぎりのところで重ねられるか。
そこで「洗練」の度合いは決まってくるものですし、そのあわいに立っていくことが今週のテーマとなっていくでしょう。
感性の生活
かつてD・H・ロレンスは「文明とはなにか。それは発明品などよりも、感性の生活のうちにこそ、明瞭な姿を現わすものだ。」と書きましたが、これは今のあなやにうって付けの一言かも知れません。
今週はとにかくも机に向かっての作業ではなく、「人と会うこと」が仕事だと思ってください。
人の集まっている場所や、いつもなら行かないような集まりに出向くことで、あなたの中の荒削りな欲求が次第に明確な形を帯びていくはずです。
あるいは、自分の考えやアイデアに耳を傾けられたいという欲求が充たされるでしょうし、関係者に個人的に気に入られるということも出てくるかも知れません。
別の言い方をすれば、ひとりで何をしたかよりも、誰と何を話したかがずっと重要になってくる週なのだと言えます。
今週のキーワード
絶望的な陽性主義