しし座
裸の大将or王様は裸
無一物で生きろ!
今週のしし座の星回りは、剝き出しの簡素な生(ゾーエー)のよう。あるいは、生命本来の“軽み”を取り戻していくこと。
人間は誰しも手土産ひとつなしに、ただ命だけを授かってこの世に登場して、しばらくの間その授かった命一つを息吹かせたら、また何も持たずにこの世を去っていく。
しかし人間はそれだけでは心許なく感じる生き物でもあり、自分の中や周囲に身分や資格や名誉、家族や友人、パートナーなどをまといつかせ、それらをまるで目に見えない衣装のように着込んで初めて安心できるのだと思い込んでいるようにも見える。
かつてギリシャでは、前者のような「剝き出しの生」をゾーエーと呼び、後者のような「社会的な生」をビオスと呼んでこれらを区別しましたが、29日(日)のてんびん座新月に向けて光が減じていく今週のしし座もまた、通常は各々のなかで縫い合わされてすっかりごっちゃになってしまっているこの両者の区別を改めて迫られていくはず。
すなわち、砦やバリケードのように強固な安心の拠り所であるかのように思えるビオスこそ、自分の溌溂とした魅力や創造性を奪う拘束服に他ならないのだということを、いかに悟れるかが問われていくのです。
その意味で、今週のしし座はある種の「生まれ直し」を経験していきやすいタイミングなのだとも言えるでしょう。
理由などない
地球が自転していることに慣れ切ってしまった人は、つい自分のことを毎日同じことを繰り返している存在と思い込んで、地球が公転していることを忘れがちです。
ただ、その一方で、私たちはある時、昨日と同じように朝を迎え、日が差してきたはずなのに、昨日とはまったくあたりの景色が変わっていることを、新鮮な驚きをもって発見することがある。
あるいは、時として、何の落ち度もない相手に、特別な理由もなく冷めてしまったり、あるいはその逆の事態が起こったりすることがあるのも、同じ要因かもしれません。
理由などなくても、唐突に誰かのことを好きになったり、嫌いになったり、世界観が変わってしまうことだってあり得るのだと、今は自分に許していくこと。それが今回の新月におけるあなたのテーマと言えます。
今週のキーワード
ゾーエーとビオス