ふたご座
ふたつとひとつ
パノラマをつくる
今週のふたご座は、「かたつぶり角ふりわけよ須磨明石」(松尾芭蕉)という句のごとし。すなわち、右脳と左脳、思考と感情、感覚と直感など、本来ならあまり交わることのない異なる認識レイヤーが重なる1点を、なんとか見出していくような星回り。
兵庫県の須磨と明石と言えば、すぐ隣りという意味合い。芭蕉が生涯旅した最西端の地が明石でしたが、そこは芭蕉は、「カタツムリよ、お前の二本の角の先の目玉で、2つの景色を同時に眺めてごらん」と語りかけているのです。
これは逆に言えば、いくら隣り合うと言っても、2つの土地やそこでの景色を同時に視界におさめ、ひとつの頭のなかで両者を結びつけていくことなど、なかなか出来やしないのだ、ということを暗示しているのだとも言えます。
今週のあなたは、本来なら結びつくはずのないもの同士を、みずからの手足や頭を通して結びつけ、ひとつの景色のなかに納めていくことになるでしょう。
同じ実体の二つの側面
かつてエリック・ホッファーは砂金掘りに出かけた冬に、モンテーニュを読んで「自分のことを書いている!」と思ったそうです。また、同じことを松岡正剛は稲垣足穂の『男性における道徳』を読んだときに思ったそうです。
「これこそ自分だ」と思えるようなことを書いてくれている誰かと出会えたとき、人は意識だけでなくその人生をガラリと変えていくことができます。
これは、芭蕉のカタツムリの句にも通じる話でしょう。つまり、右脳と左脳、思考と感情、感覚と直感、それらはアプローチは違っても、同じひとつの結論に達することがあるのです。
今週はそんな異なるアプローチの一致点をていねいに探し求めていくことで、自分のどこかを決定的に変えていくことができるでしょう。
今週のふたご座へのキーワード
これはあれだ!