ふたご座
アンビバレントな感情とともに
まどろみと目覚め
今週のふたご座は、「明易しねむる力の衰へて」(鈴木基之)という句のごとし。あるいは、まどろみから自分自身で立たなければいけない覚醒へと、向かっていくような星回り。
赤ん坊は1日中眠っている。そして若者も、やはりよく眠る。働き盛りの頃だって、休日となれば「寝だめ」するものだ。ところが、年をとってくると次第に眠りが浅くなり、やがて早朝に目が覚めるようになっていく。
それはどこか悲哀を感じさせると同時に、これまで見えていなかったものが見え始める新たなる時期の幕開けでもあります。
「明易し(あけやすし)」とは、夏の早い夜明けを表した季語ですが、そこには過ぎさってしまったものを恋しく思う気持ちと、間もなくやってくるものへの緊張が込められているようにも思えます。
今週のあなたもまた、どこかでそんなアンビバレントな感情に引き裂かれていくことでしょう。
わたしがわたしに戻るため
一生で何度も違う絵描きになったと言われているピカソですが、それは一般的に思われがちな直線的な成長のプロセスの結果というのとは違っていたようです。
「わたしは発達などしない。わたしはわたしだ」
「絵は部屋を飾るためにつくられるのではない。私が古いもの、芸術を駄目にするものに対して絶えず闘争している」
「大切なことは、 熱狂的状況をつくり出すことだ」
といった言葉からは禅に似た境地を感じます。先ほどのようなアンビバレントな感情というのも、そうした「日々是好日」の精神の中で原動力となってくるものなのではないでしょうか。
今週のあなたは、まず自分自身からの影響で、新たに自分を創りだしていくことになるはず。心してください。
今週のふたご座へのキーワード
日々是好日