ふたご座
内なるモンスターを呼び覚ませ
何をもってラッキーと言えるか?
今週のふたご座は、「ラッキーストライク」。すなわち、片っ端から快楽を満たしていくのか、それとも本当に自分に足りない「快楽への飢餓」のスイッチを入れるか。いずれかに傾いていくような星回り。
「ラッキーストライク」とは戦後日本でもっとも愛されたタバコの銘柄の一つですが、直訳すれば「運よく鉱脈を掘り当てる(命中!)」。
ここで考えてほしいのは、では何を“当て”れば、今のあなたは思わずラッキーだ!と心から思うことができるのか? ということ。
けれど、電車の中吊り広告やテレビで流れていたCMで見たような、ありふれた欲望のなまぬるい充足にスポイルされることを、本当にあなたは望んでいるのだろうか。
むしろ、それらではちっとも満ち足りてないという「大いなる飢餓」への自覚と、全身が湧きたつような渇望へいたることこそ、「当たり」なのではないか。
みずからの内にある底知れない欠乏を受け入れていくこと。それ自体が時間かけて掘り出していくべき鉱脈といえるだろう。
ひろしとピョン吉
ここで『ど根性ガエル』のひろしとピョン吉を思い出されたい。
カエルのピョン吉はある日原っぱにいたところを、偶然倒れてきたひろしに押しつぶされますが、ど根性で服にはりつき、平面ガエルとしてひろしと生活を共にするようになる、というのが作品の設定。
カエルはいくらでもいるけれど、平面ガエルのピョン吉はこの世で一匹だけ。泣いて笑ってケンカして、いろいろあるけれど、ドッコイなぜだか縁は切れない…。
なぜかって?
それはひろしにとって、ピョン吉がもうひとりの自分だったから。シャツの中であばれるピョン吉と、それを見ている困り顔のひろしは、表裏の関係にある一枚のコイン。あるいは、どうすることもできないまるで他人のような飢餓を掘り当てた人間の姿かも知れません。
今週のキーワード
人獣混淆