ふたご座
ブランコと覚悟
宙を飛ぶ瞬間
今週のふたご座は、空中ブランコのブランコ師のごとし。あるいは、誰か何かにひとつの決定的な要求を突きつけていくような星回り。
歴史的事実を離れて勝手に解釈をするなら、サーカスの天蓋ではじめて空中ブランコが催されたとき、そこには誤って地面に落ちたブランコ師を救うネットはまだ張られてはいなかったのではないでしょうか。
というのも、もし落ちてしまったらどうなってしまうんだろうというハラハラドキドキする感覚も含めての見世物で、そこでは空中で結ばれあう手と手こそが主役であって、それ以外の不必要なものの一切は省かれていたはずだから。
その意味でブランコ師とは、何かひとつ間違えばたちまち死んでしまうという極限状況を創りだす一種の職人であり、一台のブランコから相方が待ち受けているもう一台のブランコへ、一切を捨てて宙を飛ぶ瞬間はあらゆる人間関係における不安と緊張が凝縮したひとつの「作品」に他ならず、同じ空間にいるすべての者にある決定的な余韻を刻印していくのです。
すなわち、「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」という瞬間をいつかきっと自分も実際に体験するのだ、と。
3月6日にふたご座から数えて「開示と要求」を意味する7番目のいて座で下弦の月を迎えていく今週のあなたもまた、「身を捨てて」ということができるかどうかが問われていくことになりそうです。
限界と解放
どれだけ自分ひとりで努力を重ねたとしても、それが望んだ結果につながるかどうかは分かりませんし、最後は運を天に任せるしかない。では何のために努力するのかというと、それは自分の限界を知るため。
限界を知ることで人は自らのDNAにスイッチを入れることができ、同時に、人生の重荷から解き放たれるような安堵感を覚えることもあります。
自分ひとりで頑張れることなんてたかが知れていますが、それは逆に言えば、何か大きなことを成し遂げようと思ったら、周囲や大切な人との交わりによって「運に運ばれる」ことが大切なのだということです。
ある意味で今週のふたご座のテーマは、自分をスーッと運んでくれるような相手は誰なのか、ということを再認識していく時と言えるのかも知れません。
今週のキーワード
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」