ふたご座
可能性は統一に向かって
大自然のぜいたくなやり方
今週のふたご座は、岡潔の「可能性の可能性」という言葉のごとし。あるいは、改めて自然に従ってみずからを生きやすくしていくような星回り。
夜型にするか朝型にするかという問題は、リモートワークやフリーランス化の波がますます広まっていくだろう今の社会では定期的にホットトピックとなっていますが、天才数学者で名随筆家でもあった岡潔は今から半世紀以上前の1963年に刊行された『春宵十話』の中で「日によって、自分自身の生理状態に従って夜型であったり昼型であったりするだけで、すべて自然に逆らわないようにしている」と結論付けています。
さらに、大自然のやり方というのは「全くぜいたくなもの」で、カエルの卵も非常におびただしい数の中からわずか一匹しかできないことを例に挙げ、2年に一本仕上げる自分の論文もその方式で書いているのだと続けた後、次のように述べているのです。
十考えても、そのうち本当のものである可能性は一つぐらいしかない。その可能性の中で、さらにまた本当のものは十分の一だ。だから百分の一という数値は可能性の中の可能性だともいえる。可能性の可能性というのは、これは希望のことなのだ。つまり、こんなふうにあってくれないかなあ、というのを描いているにすぎない。
2月3日23時59分に立春を迎えていく(太陽が水瓶座15度へ移行)今週のふたご座のあなたもまた、希望の描き方というものを改めて誰か何かに教わっていくといいでしょう。
「再統一」ということ
2世紀ローマの哲人皇帝マルクス・アウレリウスは、自ら書き残した『自省録』において、まずこの宇宙について、一なる魂をもつ一つの生き物として考えよと述べます。
さらに、万物がどのようにして一なる感性に帰っていき、またどのようにして一なる欲求からあらゆることをなすに至ったのかを考えよ、と。
つまり、彼にとってこの宇宙とは、赤ちゃんにとってのお母さんのおっぱいのように、自己をそこから切り離してはならない、すべての根源でありました。そして、そうした宇宙観に立った上で、次のように言うのです。
「おまえは、あの宇宙の本質的な統一から、どこかに自分を投げ出してしまったのだ」
いつだって私たちは、何かを失ってからしかその大切さに気付くことができません。ただし、人間には喪失と同時に、再び自らの統一を取り戻していく「可能性の可能性」も与えられています。二度と失いたくないと心から思えるものは何か、今週のふたご座はきちんと心に問いかけさえすれば、それがはっきりと浮かび上がってくるはず。
今週のキーワード
「こんな風にあってくれないかなあ」